「…2年は体育か。」



窓越しに見えた校庭には2年生が体育の授業をしていて、そのキャピキャピしている光景に若いなと呟く。

いや俺だって高3だし、アイツらよりたった1歳上なだけだし、全然今でもキャピキャピ出来ますけど?




そんなことはどうでもよくて英語の授業もろくに聞かずに他の学年の授業を夢中になってみているのには理由がある



「あ、アイツこけた」



アイツとは夢子と言う名の俺の嫁。いやまだOKされてもないし俺から一方的にだけど兎に角アイツは俺の嫁!



「あ!」



とか言っているうちに校庭ではコケて膝を怪我した夢子が誰か男子生徒におんぶされてるゥウウ


何してんだ少年A!俺の嫁に無断で触れるなんざ!おんぶするなんざ許さねェぞ!よぅし分かった、お前は人の嫁を奪うハラだな?そっちがその気なら俺だって容赦しねーぞ少年A!奪ってもみろ、そんな事したらなァ、そんな事したらなァ!あの…アレだぞ、ひどい事が起こるぞ!




「坂田〜授業真面目に受けろ!」


担任の怒声で我に帰った。


だがそんなの気にしてる暇なんて無かった

全授業が終わった途端に俺は2年のクラスに走る





「夢子ー!」



俺が行った頃、丁度夢子もカバンを持って教室を出るところだった。走ってきたから息を切らしている俺に何事かと驚いた顔をして言う。



「坂田先輩、どうしたんですか?」



膝に付けている絆創膏には余程深い傷だったからか血がうっすらと滲んでいる



「それだよソレ!さっき体育で派手にコケてたから心配して来たんだよ」


「あーこの傷ですか、ってか見てたんですか!?」




昇降口で上靴から外靴に履き替えた夢子と再度合流した俺はもう一度彼女の膝を見る



「なんかその傷深そうだな、大丈夫か?」


「もう平気ですよ、っていうより自分の授業態度を心配した方がいいと思いますよー」



よそ見しててちゃんと授業真面目に受けてるんですか?と聞かれ俺は苦笑いしながら下を向いた


その時夢子が怪我した方の足を微かに引き摺って歩いていた事に気付いた



「大丈夫じゃねーじゃんか、お前」


「これぐらい大丈夫ですって、暫くしたら治りますもん」



するとさっきのおんぶを思い出し、少年Aへの変な対抗心が沸き上がってきた


残念だったな少年A。
夢子を誰よりも想ってるのはこの俺だ!




「じっとしてて」と言って夢子を両手で抱え、お姫様抱っこをする

お姫様抱っこは女子にとってはおんぶより何倍も特別な代物、この勝負俺の勝ちだな。

当然だろ!一番愛してるのはこの俺です!



「坂田先輩!なんですかこれ!」


「お姫様抱っこ」


「そうじゃなくて、歩けますから降ろして下さい!恥ずかしいです!」


「先輩命令、じっとしてなさい」




うーだのああだの唸りながらも抵抗を止めた夢子に小さく笑いかけると忽ち顔が赤くなる俺の嫁。



「さぁ帰ろうか!」



すると腕の中にすっぽり収まった夢子が照れながら微笑んだ







end

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20100518 23:48

あわわわわっ
オクラ様遅れてすみません!
ちゃんとご希望通りに
仕上げられたでしょうか…?
拙い文章でお恥ずかしいですが
この作品をオクラ様への
捧げ夢にしたいと思います。
オクラ様企画に参加して下さり
有り難う御座いました(*´`)




Thank you to reading!

rena ayasaki.






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