群青ラプソディー




群青とはこの事を言うんだなと思うくらい綺麗な青空だった。

今日は非番。長期間の捜査が続いたせいかこの前まで毎日働きづめだったので久々に羽を休められる、そんな日は思いっきり寝坊してもう寝飽きたっていうくらい睡眠をとるのもいいけど、街に出掛けてショッピングっていうのも悪くはないけど、やっぱりこんな天気が良い日は縁側でボーっと、何も考えずにただひたすらボーっとしているに限る。


煎れてきたお茶をすすり、何ヵ月か後には桃色の花を満開に咲かすであろう枯れ木を眺めていると誰かの足音が聞こえ、どん、という音と同時に私の背中にぶつかった。睨むように後ろを振り替えるとやっぱり沖田総悟だった




「あ、居たんですかィ。全然気付かなかったなァ」


「わざとらしいな、謝りなさい痛いでしょ」


「っていうか何してんでェ」


「ちょっと。人の事蹴っといて無視かい、謝りやがれ」


「んなところでボケっとしてたらいつか蹴られますぜ」


「今蹴られたけどねアンタに!てか謝れって!」


「それより」


「とことん無視かい、もういいよ」


「暇なら俺が話相手になってやりまさァ」


「お、マジで?」



私が隣に腰掛けた総悟に顔を向けると「ただし1会話につき500円」とほくそ笑み言ったからすかざず彼の横腹にキックをお見舞いする



「総悟、今日は非番?」


「この格好見ろィ」


「あ…隊服だ。じゃ、サボり?」


「人聞きが悪ィ。これは休憩でさァ」




いやどうみてもサボりだろ、なんていう言葉は言っても無駄だと思ったから喉の奥に押し戻した

一瞬強い風が吹き、葉が無い枝だけの木を揺らしていった時に総悟が「どうなんでィ」と言ったので「何が」と返す。




「彼氏とか出来たのかって聞いてんでさァ」


「出来ないよ」


「へぇー?」


「出来るわけ無いじゃん、だってうちら真選組でしょ?いつ死ぬか分かんないし、そんな女を相手にする男なんてそうそう居ないよ」


「社内恋愛とか期待できるんじゃねェかィ?野郎ばっかだし」


「えー!社内恋愛?あり得ないあり得ない」




手を大きく左右に振り全力拒否をすると「俺は?」と聞かれた




「は?」


「俺は夢子の眼中に入ってないんですかねェ?」


「は?え?何、どういう事?」


「俺の女にならねェかって事」




私が目をパチパチさせて総悟を見ると「性格はドSで最悪だけど顔はそんなに悪くねーだろィ?」と急接近してきた



「総悟、近い」


「で、どうなんですか」


「ちょっと離れようか」


「答えは?」


「う…うん、分かったから離れて」




距離をとろうと後退りをした途端に総悟に腕を引っ張られ首元にキスされた。一瞬の出来事だったが2,3秒後にその一点から熱さが込み上げてくる。何すんだよバカ!と無言の訴えをすると彼は見事などや顔を披露した。




「ばっ、ばかじゃないの!」


「なんでィ素直じゃねーなァ、ツンデレですかィ」


「うっさいなー!サボってないで仕事しなさいよ!」


「そんなにカリカリすんじゃねーや、生理か」


「違いますから!」




彼女をあしらいケタケタ笑う総悟。嗚呼ミスったかな、OKしてしまった事は間違いだったのだろうか。


再度迫ってくる総悟に蹴りを入れて長い屯所の廊下を走る私。




「尚更好きになっちまった」



彼の呟きが群青の空へと融けていった





群青ラプソディー


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20110116 01:49

萌様企画参加有り難う御座います
なかなか話題が思い付かず
大変送れてしまいすみませんoyz

もっともっといい作品が
掛けるように2011年は
今まで以上に頑張ろうと
思いますのでよろしく
お願い申し上げます(^^)





Thank you to reading!


rena ayasaki






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