六月の雨。




夏が来る前には梅雨時期がある。そんなのはもう皆がご存知の通り、今日はその梅雨真っ只中どしゃ降りである。神楽は数日前から新八ん家に泊まりに行ってて、生憎万事屋には俺一人。



「あー、クソつまんねー」



窓の外を見ると雨が尋常じゃない程降っている。そのせいかいつもは賑やかな道にも人一人すら通らない。宛にして、ふと付けたテレビには豪雨警報発令の緊急ニュースが報道されてて、あたりは全て雨、雨、雨。もう嫌になる。ノイローゼになる。



雨というのは昔から嫌いだったというか暗い思い出ばかりが関連しているから嫌だ。例えば昔攘夷戦争に参加して激戦の末、大切な仲間がみんな屍となった時も、あのやりきれない気持ちに打ち付けるのはやっぱり雨だった。あの頃の大切な物と言えばやはり戦友だったが今は神楽や新八それに、恋人。


やっとの思いで手に入れた恋人は絶対に失いたくない。窓から目を背けても気持ちがなんだか落ち着かなくなった



「…嫌なもの見たぜ」


雨が地面を打ち付ける音から逃れるように俺は電話の受話器を手に取った。掛けた相手は新八ん家では無い。



「…もしもし」

「銀時?」

「おぅ、俺」

「どうしたの?珍しいね銀時から電話くれるなんて」

「まーな」




そう言えばそうかもしれない、俺はめったに誰にも電話しないから。でも今はダメだった。ちゃんと夢子の声を聞かないとノイローゼになっちまう。




「雨降ってるな」

「うん、部屋干しだと洗濯物があまり乾かなくて大変よ」

「あーそうなんだ」



特にこれといったトラブルも無くて、いつもと変わらない恋人の声調に安堵し胸を撫で下ろす。


「私は変わり無いけど…銀時はなんだか気分が優れないみたいだね」

「なんで分かった?」

「だって彼女だもん」

「なるほど」

「…もしかして寂しいの?」

「寂しくなんかないですぅー」





ホントにー?とクスクス笑う夢子。雨はまだ止もうとせず、窓を見た途端また落ち込み始める俺。




「ごめん、嘘ついたわ俺」

「ん?」

「ホントは寂しい。雨降ると色んな大切な物が消えちまう…気がして…」


途中凄く恥ずかしくなって語尾のほうで声が小さくなった。それでも夢子には聞かれてたみたいで受話器の向こうからクスクスと笑い声がする




「な、情けねーと思ってるよ自分でも!野郎が寂しいって思うなんざ…女じゃねーんだからさ俺」



頭をくしゃくしゃにして雨の音も何もかもから音というものを遮断したかった。どうせ「弱々しい」とか「情けないよ」とか夢子からもきっとそんな言葉が返ってくるんじゃないかと思うと耳を塞ぎたくなった。でも、




「すっごく嬉しい」

「は?」

「銀時、甘えてくれたの初めてじゃないかなって思って」

「あ、あぁそうかも」

「大丈夫、私は消えないから傍にいるから」




夢子のその言葉を聞いた瞬間、俺の心の中にある暗い何かが全部浄化された気がした



「男だから弱味見せちゃいけないんじゃないよ。強がらなきゃダメなんじゃないんだよ。甘えていいんだよ?」




自然と俺の顔にも笑顔が溢れる。有り難うと精一杯の感謝を伝えたくて、でも恥ずかしくてなかなか口に出来ない



「あ…のさ、」

「なに?」



外に目をやると雨が止んだようだ。道には傘を差しながらも点々とあちらこちらに歩いている人はいる


俺も今すぐ行きたい、会いたい。お前に会えれば…



「あのさ、今から会いに行っていいか?」

「うん、待ってる」




…安心できる気がするんだ




rainy call


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20100704 00:59

のわァァァァア
なんだこの駄文!
そんでもって
遅れすぎましたすみません!
こんな駄文で大変
お恥ずかしいのですが
一応捧げ夢とさせて頂きます
有り難う御座いました!





Thanks to reading!









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