青空のような君へ





俺の隣の席に転校生が来た。



そいつは隣の席に座るや否や「名前です、宜しくね」と言った。笑顔がすごく似合う奴。


出会ってからまだ5分も経っていないのに名前の笑顔を見た途端、不覚にもドキッとした



「沖田…総悟くんって言うんだ?」

「なんで知ってるんでィ」

「ネームプレート…」

「あ、そっか」



小さく笑いながら俺の制服についている名札を指差す名前。笑う度に見えるえくぼが可愛らしくてつい見とれてしまった


周りの話なんて何も聞こえない。時が止まったとはこういう事だったのかと思った。


「…つーことで、この問題をそこでボーっとしている沖田に解いてもらう」


銀八が何故か俺に問題を解けと言ってきた。空気が読めない教師はこれだから嫌いだ。とりあえず適当に答える



「えーと…5番?」


勘で言ったら「選択肢は4番までだよドンマイ」と言われ教室中の笑い者になっちまった。

なんだかすごく恥ずかしくて俺は前の席の土方クソヤローをとりあえず一発殴っといた



休み時間…



転校してきて、まだ1日も過ぎていないのに名前の周りには物凄い人だかりが出来ていた


『どこから転校してきたアルカ?』とか『こいつは俺の相棒のエリザベスだ』とか『良かったらお近づきの印に私の卵焼き食べない?』とか、同じクラスの奴等が話しかけてる。


転校して早々と友達が出来て名前も嬉しそうだった



昼休み。俺はほぼ毎日この時間帯は寝るために屋上に向かう。いつもなら誰もいない屋上だが、今日は先客がいた、それもよく見たら名前だ。屋上のベンチに座り弁当を食べている



「友達と食べねーのかィ?」

「あ、沖田くん」

「ここで食べたくてさ」



そう言って空を見上げる名前。俺は全然ワケが分かんなくて頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。



「前の学校には屋上無くて、これ夢だったの」

「そっか。」

「沖田くんは?」

「俺はいつもこの時間にここで昼寝するんでさァ」

「そうなんだ、ここなら寝心地良さそうだもんね」



俺はもう1つのベンチに横たわった。今日はいつにも増して太陽の光が強い…っていうより眩しい



「心地好いよね、太陽の下で寝るの」



弁当を食べ終えた名前も自分が座っていたベンチに横になった



「でも今日は、ちと眩しすぎまさァ」

「そのアイマスク。可愛い」

「あげやしょうか?」

「いいよ。沖田くん大切に持ってるみたいだし」



俺のアイマスクを見て、可愛いと微笑んだ名前。




「………。」

「?」



突然、名前が寂しげに青空を見上げた



「この学校のみんなは面白くて大好きだけど、前の学校のみんなに会えないってやっぱり寂しいなぁって」

「大丈夫でさァ、決して会えない距離じゃねーだろィ」

「そっか、そうだね」



アイマスクを外し微笑むと名前も頷き微笑んだ
。本当に名前の笑顔は見てると癒される、まるで青空を見ている時のように。



「好きに…なったかも」

「なんか言った?沖田くん」

「いや、なんにも」




俺が名前に想いを告げるのは、そのもっと後の話…。





青空のような君へ



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作成日不明


屋上でお昼なんて
憧れちゃいます。







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