雨の日は、






5時間目まではちゃんと晴れていたのに、6時間目が終わった時には雨が勢いよく降っていた



「雨かぁ…」



窓側の席に座っていた私は窓ガラスに時々付く雨の雫を見ながら呟いた。今朝観てきた天気予報ではちゃんと結乃アナが『今日1日快晴です』とか言ってたのに。でたらめかコノヤロー。当然その天気予報をあてにしていた私は傘を持ってこなかったわけで、



「あー、もうやだ」



学校から一歩出れば、ずぶ濡れになっちゃうし…こんな雨じゃ絶対風邪引いちゃうじゃないかチクショー



とりあえず、下駄箱に行ったものの帰る気が全然無いのでその場にしゃがみこみ、外の様子を伺っていた



「帰りたくないなぁ…」


すると


「なんで帰りたくないの?」

「え?あ、神威」

「家に帰れば、きっと美味しいご飯が待ってるよ?」

「いや、そういう意味じゃなくて」




そりゃ、家には帰りたいよ?お腹減ったしご飯食べたいよ?でも家に帰るためには雨に濡れなきゃないでしょ?私はそれがイヤなんです



「もしかして、テストで赤点採ったから?親に怒られちゃうから?」


ケラケラ笑いながら聞いてくる神威に「残念でした、ハズレです」と目を合わせずに言った



「じゃあ、もしかして…」


神威が私の目の前に傘を立てながら言った



「傘、忘れて来ちゃったとか?」


彼の傘は番傘に似たようなものだった。普段いつも持っているらしく、前に聞いたら日光から身を護るためとか言ってた



「傘に入れてあげるよ」

「いいの?」

「いいよ、帰ろう」





雨の日は、

(なかなか悪い日では無いかもしれない)




end


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20091205 過去作品

でも湿気で髪がゴワゴワに
なるので雨は嫌いです私。

聞 い て な い ^p^


綾咲恋菜







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