ポッ○ーゲーム
冗談のハズだった。
偶然私がポッ○ーを食べていたところに総悟が通りかかり普段、からかわれている側の私としてはここで総悟に「ポッ○ーゲームをしよう」と言ってみて総悟の顔が赤くなるのを見て笑いたかっただけだった。なのに彼は平然とした表情で、
「ポッ○ーゲーム?いいですぜ」
あっさり承諾してしまった。
それでは困る。私は彼をたまにはギャフンと言わせたかっただけで、ポッ○ーゲームするなんて本心じゃなかったのに。私の前に胡座をかいた総悟は思考停止している私の手からスルリとポッ○ーの入った箱を取り、一本抜く。
「えーっと…総悟?」
「なんでィ、早く口にくわえなせェ」
総悟はポッ○ーの片端を加え準備万端。あとはもう片方の端を私が加えるだけ。だけど、いやそれは本心じゃなくて…
「どうしたァ、やんねーのかィ?」
ん、とポッ○ーを付き出してくる彼をチラッと見た。最初は、からかってやろうなんて思っていたけどそんな私の思いも知らず、一応良心的にこの羞恥ゲームに付き合ってくれた総悟に今更「やっぱ無理」なんて言えるわけがない。っていうかここまで協力してもらってもし断ったりしたら殺される。パクリとポッ○ーの先端を加えれば、総悟はニヤッとして待ってましたとばかりに食べ始めた
その速さは私が食べ始めないうちに総悟が全て食べ、最終的に私の唇に辿り着くほど。
呆気に取られていて、キスされていることに気付くのには2,3秒の時間が掛かった。濃厚までは行かず、かといって触れるだけのキスでは無くてよく分からない
ただ一つ分かったのは…
ポッ○ーゲーム
(こんな恋の始まり方も…、)
(世の中にはあるんだって事)
fin.
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20100228 過去作品
綾咲恋菜
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