僕にとっての難問
「今回のテストも山崎くんが1位だね」
順位表が廊下に貼り出される。俺がそれを見ていると人混みの中、俺の隣に来て君はそう言った
「すごいね」
まるで自分のことのように喜んでくれる彼女は、俺の片想いの相手。
「山崎くんって勉強も出来るしバドミントンも出来るし、すごいなぁ」
「そんな…。凄くないよ俺なんて地味だし」
実は褒められたのが嬉しくて照れ隠しの一言。比較的に勉強は得意なほうで彼女を好きになったのも以前俺が勉強を彼女に教えていたときだったし。それに地味な俺が唯一輝けるのはこの時だけなんだって自覚してるから。
そんなある日、席替えで君と席が隣になった
「よろしくね、山崎くん」
「うん、よろしく」
これは神様が俺に与えてくれたご褒美か何かだ。きっと俺の頑張りを少しでも認めてくれたんだろう。嬉しすぎて、ついニヤけてしまう。
けれど これで彼女に急接近出来たと安心してはいけない。まだこれは恋の一歩にも過ぎないんだから。これからが本番だ、俺!頑張れ、俺!
「名前ちゃんはさ、誰か好きな人いるの?」
授業中、プリントの問題を早めに解き終えた俺は彼女に聞いてみた
「いない、かな。」
一度考えてからそう答えた君に一瞬ホッと一安心した俺だけど同時に思った
“これからどうやって彼女の心を俺に向けたらいいだろうか”
まさに、それが
僕にとって
一番の難問
(地理や数学の問題なら簡単に分かるのに)
(これは今までで一番難しいな…。)
fin.
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20091029 過去作品
純情的なものを
書きたかったが空回り
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