ヒロイズム

「よっしゃ、見えた」

スカートの中と言うのは男のロマンであり希望であり夢である。やはり純然な男児たる者ならば、誰しもが女子のパンツなどを追い求める、言わば英雄であり…

「コラ変態」
「いだっ」

階段の下にて、俺が物凄く分かりやすい解説をしている大事な時に背後から蹴りを入れてきたのは生徒会長の名前だ。一応性別はメスじゃなくて女…らしい。

「誰が…らしい、よ。私は立派なレディなの」

あーもう分かったからどっか行ってくんね?俺は今スカートの中身を見ると言うそれはそれはハードリスキーなミッションを成し遂げようと集中力高めてるわけ。だから、

「いだっ、ちょ、さっきからなんだよ!人をバシバシ蹴りやがって」
「問題有りね」
「なにがだよ!」
「その挙動不審な行動よ!」

いきなり大声で怒鳴り散らさないでくれます?名前会長。耳がキーンてなったよキーンて。あーもうホントなに?俺になんの用?もしかして依頼?いや俺今一応高校生の設定だから、そう言うのは万事屋の時に改めて…

「何をしていたのか大体見当は付くけど、何してたの」

仁王立ちで問い詰めてきた名前に凄い険相で睨まれながら俺は「いや…階段の段を数えてたり、数えてなかったり?」と誤魔化した、が、また蹴られた

「嘘だと分かっています。何をしてたの?次は蹴りだけじゃ済まないから」

そう脅迫されてしまえば俺に残された選択肢は逃げるか戦うか自白するかの3つに限られてくる。しかし逃げる、戦うを選択してしまえばTHE END。俺の人生は甘味だらけではなく血だらけで終わることとなってしまう。それだけは避けなければ…となると自白、しか手はない。悔いに満ちた顔で黙り込んだままの俺に未だ仁王立ちの名前は言った

「そんなに飢えている男子生徒がうちの学校にも居たなんてね、生徒会長としてこれは重要視するべきだわね」

冷静沈着で冷めた表情に冷めた目で、もうとにかく冷え冷えの状態で分析している名前が「さっきの階段を上っていった女子生徒もスカートが短すぎるから注意するように言わないと」と呟いたので俺としては焦る。理由もなにも、そういう無防備な女子が居てくれるから俺ら男子は…

「いだいっ!おまっ同じ場所ばっか蹴るのはやめよーぜ、腰がじんじんする」
「坂田くんがまた卑猥な事を言わないように私がこうして制御してやってるんじゃない。感謝しなさいよね」
「ありがとーごぜーますー」
「感情がこもってないのが気に入らない」
「いででで!だから同じ場所蹴っ…、」

腰を手でさすりながら言いかけたその時、俺は閃いてしまった。奴が先刻から同じ所にしか蹴りを入れないということと、それが腰というやや高い位置であるということ。狙いが同じ場所というのは偶然かもしれないが勝算は少しあるからこれを確かめないわけがねェ。男なら当たって砕けろ!ボーイズビーアンビシャス!

「生徒会長も大したことないっすね」
「坂田くん…いや坂田。今キミがそんな事言える立場だと思ってる、の!」

語尾と同時に思った通り足が飛んできた。しかも予想通り腰を目掛けて。それにニヤリと俺は笑みを溢しながら蹴りを交わし、素早くしゃがみ、下から覗く。

ひらり、

と揺れるスカートがまるで躍っているように見える。名前の蹴りが高かったお陰で一瞬だったがチラリとパンツが見えた。「あ!」とすぐに揺れるスカートを手で押さえている名前は顔が真っ赤だった。

「ごちそうさまです会長!」

両手を合わせてニタリと笑った俺はその隙に階段を掛け上がり、まさかの逃げるという手段に出た。恐らく後に名前には半殺しにされてしまうかと思われるがそれが男のロマンであり希望であり夢でもあるものを追い求めた英雄としての結果ならば俺は喜んで半殺しにされよう。

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20110511 04:39
かっこいい坂田さんが
書けない症候群(泣)

綾咲


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