暑い暑い暑い暑い暑い暑い…暑い!



7月下旬。夏真っ盛り。外に出るともう蒸発してしまいそうなくらい暑くて世間で言うサウナ状態とはこの事を言うんだなと発見する。



『今日は今年一番の猛暑日になるでしょう、なのでこまめに水分補給をして下さい。陽の光に弱い方は日傘を忘れずに!』



朝、家を出る前にチラッと見た天気予報での言葉。予報をしている結乃アナも額から汗が一筋流れていた。それでもあの涼しげな笑顔を絶やさないんだからあのアナウンサーは凄いと思う。出来る事なら家の中で扇風機の冷たい風を浴び、氷水に足を突っ込んでアイスを頬張りながら永遠とその結乃アナの輝かしい笑顔を見ていたかった。だけどそうも出来ないのだ




《補習午前の部 10時〜12時30分》




「まるで赤点とった気分…なんかブルー。」



学校の校舎に入るとまず目についたのがその《補習》と書かれた看板だった。実は先日実力テストが行われ赤点だった生徒は夏休みの数日間補習を受ける事になっている。そして私は良くも悪くもない結果で勿論補習組では無いのだが担任の先生に「お前が来るのなら坂田も来ると思うんだ」そう言われ頭まで下げられたもんだから断りきれなかった。



「あぁあ、坂田くんが赤点採らなきゃ今頃私は妙ちゃんや神楽ちゃんと最高のサマーバケーションを過ごしていたのになぁ」

「あ、補習組だ」

「私は補習組じゃない!」



背後から声がして馬鹿にされたような気がした私は咄嗟に振り返った。するとラムネを飲みながら立っていたのは総悟。



「え、総悟赤点?」

「あ〜テストはまあまあの結果だったけど授業態度悪かったから総合すると赤点らしいでさァ」




案外あっけらかんとした表情の総悟に「授業中ほとんど寝てたもんね」と私は苦笑いした。総悟の持っているラムネの中のビー玉がカランと音をたてた



「そう言うアンタは何なんでィ。まさか赤点の奴を貶しに来たとか?うわ、サイテー性悪」

「違います!色々あって坂田くんの付き添いみたいな感じ。」

「大変ですねィ、夢子も。」



そう言いながら私の頭に、ラムネの空になった瓶を乗せて去ってしまったなにコレ、嫌がらせ?地味な嫌がらせ?



「補習組エントリーナンバー1番坂田銀時、将来の夢は苺牛乳に浸した夢子を美味しく余す事なく頂く事です」

「叶わないよその夢、絶対に!」



冷めた目で真横を見ると坂田くんが敬礼しながらキリッと引き締まった顔でそんな馬鹿な事を言ったから私は早くも脱力感に襲われた。ただでさえ夏という存在に脱力感を抱いているんだからこれ以上脱力させないでほしい。いい加減夏バテになってしまいます。



「早く行こう補習始まっちゃうよ」

「やっぱだりぃよなー、オベンキョ」

「なに言ってんの、一番ダルいのは私だよ。他人の補習に付き添うなんて」




行くよ、と腕を強引に引っ張ると「夢子と手繋いでる」と坂田くんが勝手に舞い上がっていた






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