まだ薄着でいるのは寒くて、それでも厚着だと汗が流れてきて、一体このハッキリとしない季節に私はどう対処すればいいのだろうか



「全部脱げばいいんじゃね?」

「坂田くんは黙ってて」



私のすぐ傍で破廉恥な言葉を放ったのは同じクラスの坂田銀時くん。やたらと私に付きまとい、朝から晩までセクハラをしてくる人である。



「脱いじゃえよ」

「だから黙っててよ、口縫うよ?」



総悟に先程頼まれたボタンの縫い付けをしていた私は針をキラリと光らせて坂田くんを睨んだ。すると彼は「分かったから」と薄く笑い口を閉じる。



「っていうか…」

「ん?」

「離れてくんない?邪魔です。」



さっきから思っていたが私にベッタリとくっつく坂田くんが邪魔で折角縫い終わろうとしている糸を玉結び出来ない。



「俺とお前は一心同体。だから離れちゃいけないんですぅ」


こればかりは譲れない、と私に背後から抱き付く力が少し強まった。お腹が圧迫されて痛い。



「他の人と一心同体してればいいんですぅ」

「のわっ!」



私の首付近に巻き付いた坂田くんの腕を取り、そのまま右隣に押し返すと土方くんにぶつかった。案の定ぶつかられた事と相手が坂田くんだったという理由で2倍ブチキレた土方くんは坂田くんと小競り合いを繰り広げ、ちょっと騒がしい。



「総悟、終わったよ」

「ありがとうございまさァ」

「修理代100万円ね」

「ねェよ、バーカ」



「100万」と手を差し出した私に冷たくそう言い放つ沖田くんは最近反抗期なのかな。



「母さん悲しいわ!」


そう言いながら泣いた真似をしていると喧嘩している最中の坂田くんがまた私のもとへ帰ってきた、戻って来なくてもいいのに。更には私のちょっとしたミニ演技に便乗して、ややこしくする。



「母さんを泣かせるとは父さん許さんぞ!総一郎、お前はなァ母さんと父さんが毎晩性的に頑張って出来t」

「頑張ってねェエエ」



私の怒声が教室中に響き渡り、坂田くんに目掛けたパンチが見事命中した。グハァ!と倒れた坂田くんは気絶気味で、その場には沖田くんの「総悟でさァ」と言う呟きだけが聞こえた





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