オイラのクラスには、赤砂サソリっていう奴がいる。

男だっていうのに、それはそれはそこらの女子なんかとは比べ物にならない綺麗な顔をしていて。
それで…惹かれたのかな。視界に入れば離さずにはいられない。いられなくなった。
…どうしてなのか、オイラ自身もよく分からないんだけど。

ダチと連みながら話している時にふと赤砂の方を見てみると、オイラとは正反対に自分の席から動かず窓の外をじっと眺めている。肘を着き手に頬を預けながら。
つまんなそうな表情をしているようにオイラからは見えるけど、赤砂のバックで風に揺れる白いカーテンで絵になって…何だろう、別次元って感じがした。

自分は誰にでも気兼ねなく話しかけられると自負していた。けど、赤砂の近寄り難いオーラが邪魔してるのか、その一歩がどうしても踏み出せない。どんなに独特の雰囲気を放つ奴でも、今までは話しかけられたんだけどな…。
オイラが気軽に声を掛けてもそう容易く心を開いてくれないからと、本能的に掛け辛くなっているんだろうか。


オイラは無理やりダチの一人に頭を両の手で挟まれ前に向かされて、ダチの愚痴話に強制的に戻された。ちゃんとオレの話聞けよォーとオイラに対しても愚痴を零し延々と繰り返される。
ソイツと軽く絡みながら、横目でまた赤砂の方を見ると、丁度女子の影に隠れて見えなくなった。思わずため息。
そのため息が自分に向けられたと勘違いしたのか、愚痴ヤロウのソイツはため息かよー!と仕舞いには怒鳴りつける始末。
そんなデカい声さえ、オイラは右耳から左耳へと受け流すばかりだった。





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