※これは「猫の恩返し」のパロディです。元の作品のイメージを著しく崩す要素がありますので、お好きな方はお戻り下さい。






主人公は、どこにでもいそうな男子高校生の赤砂サソリ。でもその実態は、かなりの面食いで好みのイケメンを見つけては誘わずにはいられないビッチな気の持ち主。今は同じクラスメイトのうちはイタチを狙っているが、恋人持ちでなかなか手が出せない日々を送っている。
仲の良い友達の飛段と一緒の帰り道、トラックに轢かれそうになる一匹の橙色の猫を見つける。無意識に飛段の持っていたラクロスのスティックで無事猫を救出したサソリ。自分でも何であんな咄嗟な行動を取ったか分からないけど、とりあえずバカな猫に叱咤する…が。
「危ない所を助けて頂き、ありがとうございました」
「…ね、猫が、喋った……」
驚く間もなく人間の様な動きを確かにした不可思議な猫はひらりと何処かへ去って行き、サソリに疑問だけを残していった。
その晩、またもや目を疑う光景が。家の通りの先から猫の大名行列がぞろぞろと。猫王マダラというちょっと偉そうな黒いツンツンっ毛で赤い眼のネコが直々に、王子を助けてくれたお礼にその王子との婚約と猫の国へ招待すると言ってきて。
昨日の事は夢なのか…?とぼーっとしていた所に、デイダラと名乗る一匹の喋る金色の猫と遭遇。
「おいコラ、オレを置いて勝手に話を進めてんじゃねぇ、オレは猫となんか結婚しねぇぞ」
「まーまー落ち着いてサソリ様、いいじゃないですか。格好いいですよ弥彦王子、うん!」
「…格好いい?」
「はい!なんたって猫界の皆の憧れの、イケメン王子ですから!うんうん!」
「…ふーん、イケメンねぇ…」
イケメンという言葉に弱いサソリ。デイダラに絆されて安易な肯定をしてしまい、その気にさせてしまう。いやいや冷静に考えて猫と結婚とか可笑しいだろ!困ったどうしようと考えていると…天から綺麗な女性の声が。
「サソリさん、黒い大きな猫を探して、猫の事務所へ行って」
ちょっと怪しいけれど、それを頼りに先ず黒い大きな猫を探してみる事にしたサソリ。僅かな手掛かりに途方に暮れるも、ラッキーな事に黒い大きな猫を発見。
「うわっ、何だこのブタ猫!?……はっ、黒い大きな猫…」
よく見ると愛想のない可愛くないネコ、猫の事務所の事を訊くと、そこへ案内してくれる様で。
黒い大きな猫の後にひたすら着いて行くと、何やらミニチュアハウスの並ぶ不思議な場所に出る。夕方の眩しい光が差し込んだ先に、タキシード姿に身を包んだ小さな猫が現れた。これまたイケメンの二足歩行の猫。
「何だこの、無駄に格好いい猫…」
「初めまして、私は三代目風影男爵。長いから風影とでも呼んでくれ。こっちの大きな猫がカンクロウ。それにガーゴイルの由良だ。よろしく、サソリ」
風影に諸々の事情を話していると、突然猫の国からの使者デイダラが現れ、あっという間に拉致されてしまったサソリ。サソリと共に非協力的だったはずのカンクロウも強制的に猫の国へ。由良に乗って追いかけた風影とは、離れ離れになってしまった。

目を覚まし着いた先は、猫じゃらしが一面に生える長閑な風景。不服そうにカンクロウが呟く。
「ついに来ちまったじゃん…猫の国にな」
猫の国に来た事で体が猫サイズになってしまったサソリは、使者達に歯向かえる事無く渋々城へと連行される事に。
城に着いた途端、正装に着替えさせられるサソリ。いかにもこれから結婚させられるっぽい雰囲気を感じ取って、マダラに直談判をし猫と人は結婚出来ないと訴えるも、それは論破されてしまう。何故なら。
「もうお前は、猫になっているではないか」
「は…?猫……?」
鏡を見て驚愕。自分の顔が猫らしい顔つきに。耳も尻尾も肉球までも付いていて、パニック状態になりながらカンクロウに助けを求めるも、マタタビゼリーで溺死している変わり果てた彼の姿が…。
「馬鹿バカカンクロウのバカ!お前ブッサイクで食い意地張ったデブ猫だったけど、イイヤツだとは思ってたのにィィ…!」
頼る者のいなくなってしまったサソリは、猫達の余興も全く興味ナシ。早く帰りたい一心である。
そんな時、突然現れた一人の仮面を着けた男。傷心のサソリにダンスを求める。リードされていい雰囲気の中ダンスを踊る二人。何だか…このまま猫になってもいいかも…何て思ってしまうサソリは、段々と猫の姿に着実に近付いていってしまう。それを諭したのが、いつか聞いたあの誠実で優しげな声。
王子と結婚する前にいい感じにさせられている王は憤怒し、仮面の男を名乗らせる。
「私は、三代目風影男爵。サソリを迎えに来た!」
結婚を邪魔する曲者を捕まえろと、風影に食って掛かる猫の国の家来達。激しい乱闘の中、ゼリーの器が割れ中から意識を取り戻したカンクロウが。この騒ぎから何とか抜け出そうと考えていると、突然青い毛並みの美しい雌猫が声を掛けてくる。隠し通路を使ってその場を脱出し、現世へと繋がる塔の頂上へと目指す事になったサソリ達。
巨大な迷路や家来達の追いかけっこに翻弄されながらも、上へ上へと目指していく。順調に登っていた物の、往生際の悪いマダラが塔に爆弾を仕掛け、塔を短く崩してしまう。もう夜明けまでに間に合わないと諦めかけたその時、猫の国へと帰還した弥彦王子が。何故ここにサソリがいるのかを父であるマダラに訊くと、そんな勝手な真似をしないで下さい!オレには心に決めた娘、小南がいるんです!と、先程の青い雌猫との婚約を決めていた王子。プロポーズにお魚のクッキーをあげる光景を見て、サソリは幼い頃変わった色をしたノラ猫に同じクッキーをあげた記憶を思い出した。
二人の恩人の人間のサソリ、完全に猫になってしまう前に誰もが現世へ帰る事を応援した。
頂上へと辿り着いたサソリ、現世の境に立ったその体は人間へと戻りつつあり、その先には今にも明けそうな朝の太陽の光が。勇気を持ってその塔を飛び立つ。風影と、カンクロウと、皆が着いている。高い塔へと続いた空の上でも怖くはない。その時、仲間を呼び寄せて窮地を救ってくれたのが、ガーゴイルの由良。彼もサソリの無事を案じてくれた一人だ。
沢山の仲間に助けられ、こことは少し違う世界を見た彼の顔は、以前とは違っていた。猫の風影とカンクロウともお別れ。それぞれの世界をこれからは共に暮らしていく。
「だけど、もし本当に私達を必要とした時、また猫の事務所の扉は開くだろう。その時まで、しばしの別れ!」
愛情とはまた異なった愛を知ったサソリは、心を入れ替え不真面目な恋愛をやめる事にした。共に信じ、助け合い、手を取り合える人に巡り会える日を、静かに待ち侘びて。



…なんて妄想が脳内で完成されてしまったのでもう文で再現してやろうと決めた結果がこれ。
最後綺麗に纏めてるけど、とんだクソビッチ設定でしたよ旦那。

以前頂いたコメントの影響で猫の恩返しパロを鳴門でやってみたのですが、ヤバいぶっ飛びすぎてて猫恩ファンに怒られる…!ハルちゃん(♀)を旦那(♂)にしたらエライ事になった、とんだホモビッチさんだよォ旦那ァ!
一時しのぎの恋愛をしている毎日の中、猫達と触れ合って愛とはどういう物かをほんの少しだけ理解する旦那、というのがこのストーリーの見どころですね。原作は完全なる全年齢対象ですが、旦那がエロいのでちょいとそういうシーンも入れてもいいと思う。私が許可する。猫ちゃんとかでさぁウフフ。
コメントの返信で、ムタはデイたんかな?って書いたのですが、ムタはデブで愛想が悪いから…カンクロウ適役じゃね?なんて考えてしまって。ごめんカンクロウ。
そうすると、キザなバロン役は風影で決定で、きつそうに見えるけど実は優しいトトは、由良さんに見えてくる…!何これ猫の事務所組砂隠れの皆さんかよ!?うおおお滾ってきたぁぁぁぁ→妄想爆発です。
デイたんは、陽気で可愛らしい雰囲気がナトリっぽいなと思いそちらに変更。サソリ様ぁて、早口でサソリ様ぁて言うデイたん。
ユキちゃん役を鬼鮫は流石に厳しかったので、王子とユキちゃんはやひこな夫婦に。代わりに想い人の町田先輩に兄さんを持ってきました。恋人は鬼鮫かどうかは謎。…謎のままがいい。
猫王は長門でもよかったけどねー、やひこながとは仲間なので、父子関係は変かなと。猫耳生えてるマーさん想像すると面白い。
ハルちゃんの親友のひろみは、飛段にやってもらいました。柘植ちゃんはきっと角都殿。角都ちゃん(!?)…いや、角都ファイトぉー!

以下妄想会話。

「よろしくな、カン…タロウ?」
「カンタッ…、カンクロウだァ!」
「わ、悪ぃわりぃ、あんま記憶に残らねぇ顔してるからよ」
「…ハ?」

「へえー、綺麗な猫だな、猫にも美人なヤツがいるんだな。まあ女には興味ないけど」
「エッ」

「弥彦がダメなら、どうだ、この猫王マダラの妃にならんか?」
「…んー…お前結構イケメンだから、ダメって事もねぇけど」
「…アレ?(展開違うぞ…?)」
「だけど、顔がよければそれでいいって事じゃないって分かったから、悪いな」
「お、おう…」

旦那のキャラの濃さがぱない。主人公だから許される域越えてるわ。
まだまだ妄想の余地があるけれど、流石にキリがないのでこんな感じにお開き。


最後に、元作品ファンの皆さんごめんなさい。


14/07/30 23:18 [cate.妄想]





×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -