ミルク混合
日常?
「もう3時ですし、おやつをお持ちしました。少し休まれてはいかがですか」
使用人が部屋に入ってきてから、もうそんなに時間がたっていたのかと気づかされた。
なまえは跡部に勉強を教えてもらうために、跡部の家へ来ていた。
勉強に集中していたため、時間があっという間に過ぎてしまっていたのである。
「なまえ様は何にいたしましょう?」
『えっと、りんごジュースください』
「はい」
使用人はにこっと微笑み、りんごジュースを注いだコップをおいてくれた。
「失礼します」
使用人が出ていき、もらったりんごジュースをありがたくいただく。
跡部はおしゃれなカップにコーヒーをもらったようだ。
『跡部はコーヒーなの?』
「ああ」
『わたしコーヒーの匂い好きだよ』
「俺も好きだ。味も好きだが」
『ね、一口ちょうだい』
「仕方ないな」
なまえはコーヒーは苦手だ。
ミルクをたくさんいれるカフェオレはだいすきであるが。
でもコーヒーを飲む人を見ると、なんだか飲みたくなってしまうもので、たまにこうやってもらったりするのだ。
『…うええー』
苦い。
とにかく苦い。
跡部が飲んでいたのはブラックだろうか。
なまえはごくごくとりんごジュースを飲み干した。
りんごの甘酸っぱい味が口に広がるが、コーヒーの苦味はそう簡単には去ってくれなかった。
「お前の口には合わなかったみたいだな」
『やっぱり香りだけで我慢するべきだった…うえ』
「ほら、これでも食っとけ」
口にふんわりしたシュークリームが押し込まれた。
なめらかな生クリームが口のなかで溶けていく。
『わあこれおいしい』
「うちのシェフの手作りだ」
『へえ、すごいなー私跡部と結婚したいなあ。毎日こんなの食べられるなら』
「それが目的かよ」
苦笑いしながら跡部はまたコーヒーを口にした。
それを見てなまえはぽつりとつぶやいた。
『わたし、カフェオレなら飲めるんだけど』
「なら用意させるぜ」
跡部の指示で、すぐに用意された。
中にはコーヒーが半分ほど入っていたが、なまえはカップにどぼどぼとミルクを注いだ。
「入れすぎだろ」
『ううん、そんなことないよ』
「色が白くなってんぞ」
『カフェオレだよ』
口に運ぶと、先ほどとは違い、ミルクのほうが勝りコーヒーの苦みが薄くなったのでとても飲みやすくなった。
「なまえの場合、ミルク分が半分以上をしめてるな」
『わたしこれくらいしないと飲めないの』
「ま、子どもはそれくらいにしとけ」
『子ども!?』
なまえは腹いせに跡部のコーヒーに、大量にミルクを入れてやったので、彼の怒りを買ってしまい、家に帰してもらえなかった。
夜。
『寝れない』
「あれだけ飲んだからな」
結局跡部のカフェオレ(になった)を自分が飲むはめになったのだ。
カフェインのせいで眠れなくなってしまい、いまだにベッドの上でもぞもぞしていた。
結局眠れたのは夜中3時ごろのこと。
*END*
―――――
お久しぶりです\(^q^)/
カフェインの作用こんな長くないかしら