打倒!帝国
昼休みになって給食を食べ終えたオレは、頬張る風丸の口に目いっぱい飯を詰め込んで、円堂のクラスに向かった。
途中の廊下で風丸は口を押さえながらよろよろと小走りになったが、それは見なかったことにする。
「来たぞー、円堂」
「君羊!」
クラスの窓側にはあと一口程残った給食に手を付ける前の円堂が見えた。
「失礼します」と一言かけてオレは苦しそうな表情の風丸を連れて円堂の前に行った。
円堂も最後の一口を口に頬り投げて「ははかっははー」と、日本語になっていない言葉を発した。
口からこぼれてるぞ、米。
「んで、ミーティングって何すんの?」
「お前ミーティングもしたことねーのかよ?」
「野球とサッカーだとミーティング内容違うだろー」
横からずいっと染岡の怖い顔が入っていた。
突然アップにされると怖い。染岡は脅しているつもりはないようだが、それでも怖い。
「明日の帝国戦なんだが、どうやったら点を取れるか皆で相談しようと思って」
「相手は40年無敗の強豪だもんな…普通に試合したんじゃ勝ち目ないぞ…」
「なんだ半田ぁ、ビビってんのか?」
「ビビってねーよ!」
円堂、風丸、染岡、半田…それぞれ意見を出し合って明日の試合に備えている。
もちろんのこと、オレは何を話しているのか理解出来ていない。
なにせ円堂のやつ、「ズババーン」だとか「ズドーン」だとか、効果音で説明しているわけだからきっと他の奴らもわかってないと思う。
なにかと風丸がうんうんと頷いているが分かっているのだろうか?
「とにかく、明日は全力で攻めて行くぞー!」
「「「おー!」」」
「お、おー…」
どうやら決まったようだ。
ミーティングはわずか5分という短さで終わったが、皆は明日の帝…てい…?…の対戦にやる気いっぱいだ。
「みんな、帝王学園戦がんばれよ!」
「「「帝国だよ」」」
打倒!帝国ッ