「爆豪勝己!」
「あぁ?」

長い廊下の一角、一人の女子生徒がとても模範的とは言えない男子生徒に詰め寄っていた。

「んだお前」
「私を知らないの?!なんて奴!私は1年B組の…」

女子生徒が言い終わる前に男子生徒は何も聞こえなかったように歩き出した。

「っ!ちょ!無視!?待ちなさい!!」

先程から機嫌の悪そうな女子生徒の声が余計に荒立った。その態度に任せるように男子生徒、爆豪の肩をつかむ。

「チッ。離せ」
「人の話を聞きなさい爆豪勝己!」
「フルネームで呼ぶな。モブが」

最後の言葉がいけなかったらしい。女子生徒が今まで以上に声を荒らげて廊下中に響くほどとなった。

「その態度が気に入らないのよ爆豪勝己!!いい!?その空っぽの頭にありがたく詰め込みなさいよ!」
「るせぇ」
「お黙り!!私は1年B組推薦入学者のミョウジナマエよ!あなたのような一般入学者とは格が違うの!!」
「うるせっての端役が」
「っっっ!!いい!!?私の個性は”超自然能力(エスパー)”よ!あなたのような単調で下品なモノとは違うのよ!!私にかかればあなたの個性なんて子供だましなんだからね!!!」
「…アァ?」
「な、なによ!個性で脅すつもり!?やってみなさいよ!私に怖いものなんてないわ!個性での攻撃も低能な暴力も効かないんだから!!」

そう言いながらもどこか彼女は身構えているようでもあった。

「…やらねぇよバァカ」
「…え?」
「敵でもねぇ女を殴るかっつーのアホが」
「…!…!お、怖気づいたのね爆豪勝己!」
「怯えるぐらいなら喧嘩振ってくんじゃねーよ」
「だっ誰が!」
「じゃーな、ミョウジナマエ」

そう言うと爆豪は先ほどと同じように、何事もなかったように帰路につく。


「っっっ勝手にフルネーム呼ぶんじゃないわよバカ爆豪ーー!!!」



爆豪勝己はフェミニスト
別にドキッとなんてしてないんだから!


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