「焦凍って性欲あるの?」
「…お前、最悪」

質問の答えにしては随分と酷い。
15歳といったら思春期ど真ん中。男女違わず性への関心は高いはず。
でも、このクールぶってる幼なじみからは下い話どころか、浮いた話一つ聞かない。
顔はいいから昔っからモテモテのくせによぉ。
(ふざけんなよこちとら告白1つされたこともねぇんだぞ)

「なんなんだよ、いきなり」
「いやべつにー。クラスメイトとかと比べると焦凍ってそーゆーの興味なさそうだから」

病気なのかなって思って、は一応言わないでおいた。
昔からへそ曲げると面倒くさい奴なんだ。

「彼女ほしー!とかヤリてー!とか言わないじゃん」
「…くだらねぇ」
「(くだらねぇって…)はいはい、しょーとくんはレベル高いから私達とは違うもんねー」
「…」

こっちから振った話とはいえ、ここまで興味持たれないと何かイライラってか虚しいな。
私だって年がら年中「彼氏ほしー!」って言ってるタイプじゃないけどさ
もうちょっとさ、年頃の会話っての?そーゆーの楽しみたいだけなんだけどな。
焦凍からしたらとんだ迷惑で時間の無駄だろうけど

「脱げよ」
「は」
「服、脱げ」
「ちょっと何言ってるかよくわかんない」
「知りたいんだろ?性欲あるかどうか」

うわー、めんどくせぇ!こいつへそ曲げやがった!!
1分前の私のアホ!!アホ発言消えろ!!もうやだこうなると機嫌治すまでほんと面倒…

「えっちぃのはいけないと思いま…っ!」
「やわけぇな」

こいつ乙女の胸何の躊躇いもなく触りやがった!触ったってもんじゃねぇ、揉んでる!

「痛い!やっめてよ!誰得だよ!!っ近い!顔近い!!」
「…うるせぇ。少し黙ってろ」
「どこの安いエロ展開だよ!させねぇよ!?」

さり気なく服の中に突っ込んできてた右手を全力でブロックし、顔と身体をチョココロネのごとくひねる
いつの間にか密着していた身体に隙間ができ、その隙に焦凍から離れ、ようと、したら

「っ!ちょ!どこ…触って!」
「…」

お気に入りのショートパンツから出ている太腿をガッチリ掴まれ、あえなく脱走失敗。
てか、ギリギリすぎる。

掴んでる場所とか、雰囲気とか
焦凍の、目とか

「しょ、焦凍…やめよ?こういうのは、さ」
「…」
「こういうのは、ちゃんとした相手と、した方がいい、よ」
「ちゃんとした?」
「か、彼女、とか?好きな、子、とか?」

威圧が、焦凍の威圧が怖い
あと足に触れてる手が微妙に動いてて、なんか、なんかっ


「…泣くな」


頭いっぱいいっぱいだし、焦凍怖いし、涙目にもなるわさ!
恥ずかしいし、情けない

私の情けない姿に同情したのか、ゆっくりと焦凍の手が離れ、そのまま頭を撫でられた
これもこれで恥ずかしい、けど、

(焦凍の手で撫でられるの、久しぶり…)

いい歳してって思う反面、焦凍の手の大きさと重さにすごく安心する


「ん、変なこと言ってごめんね…?」

手を出したのは向こうだけど、そもそもの原因はバカなこと言った私のせいだし
…もう焦凍にはこの手の話は止めよう。絶対に。


「…もう少し、待ってろ」
「ん?」
「もう少ししたら、ちゃんとしてやる。それまではナマエも待ってろ。俺も我慢するから。」
「…ん?え?」
「トイレ行ってくる」

え?なに?なんのはなし?
っていうか焦凍の下半身めっちゃ大変なことになって


轟焦凍は思春期
この後どういう顔で過ごせばいいの


△ヒロアカ短編へ戻る

△TOPへ戻る