「上鳴が鬼ね」
「へ?」
「ちょっと待って、ジロちゃん達呼んでくるから」
「ちょ!まてまてまて。ミョウジまて、ハウス!」
「犬扱いやめろ。あっ豆用意しなきゃ!できるだけ硬いやつ」
「待って!お願い待って!!何の話してるの!!?」

ちょっとひっつかないでよ!服伸びちゃうでしょ!!

「今日節分だし」
「おう」
「節分っぽいことしたくて」
「んで、豆まきか。つかなんで俺が鬼?切島とか爆豪の方が鬼っぽくね?」
「爆豪くーん!上鳴がアンタのこと鬼だってーー!!」
「無能野郎コロス」
「冗談だって!やめろよミョウジ!」

うるさいなぁ。耳元で騒がないでよ。

「はぁ、んでなんで俺が鬼なんだよ」
「全力で豆投げつけたい顔してるから」
「ひっでええええ!ま、まぁそんなことだろうと思ったけどよ…」

あれ、なんか今日は大人しいな。いつもならもう少しキャンキャン騒ぐのに。

「鬼ぐらいならやってやるよ」
「えっ」
「えっ」
「…気持ち悪い」
「ひでえ!何なんだよ!」

なんか、変な感じ。もっと突っかかってこないと面白く無いじゃん。
なんだろ最近からかい過ぎたかな。
でもな、反応面白いんだもんな。顔はいいクセに中身残念だから、からかいがいあるのに…

「…私と話すのつまんなくなっちゃた?」
「はぁ?んなことねーけど」

「…上鳴、普段はアレだけど、ちゃんとカッコイイと思うよ」
「へ!?」
「いざって時はちゃんと頑張るもんね」
「ど、どしたミョウジ」
「実はお腹割れてるしね!ステキ!!」
「ま、まぁな」
「個性も強いし!」
「おう」
「髪もイケてる!」
「おう!だよな!」
「コスチュームもクール!!」
「よせよ照れるだろ!」
「よっ皆のヒーロー!キャーカミナリサーン!カッコイイーステキー!」
「へへっ!」

「だがそれら全て無に帰すほど救えないアホである」
「ぅおおおおい!!やっぱりかよ!!なんかおかしいと思ったよ!!」

…そんな地に伏せるほどか。いやーやっぱり面白いわ上鳴くん。


「…なんでいきなり褒めたんだよ」
「飴と鞭の飴の方」
「普段は鞭って自覚合ったんだな」
「まあね」
「……なあミョウジ」
「ん?」
「…パンツ見えそ」
「だからアンタはアホって言われんだよアホ!」
「イッテ!」


叩かれた頭をさすりながら立ち上がる彼。
うーん。黙ってればいい男なんだけどなぁ。黙ってれば。

「………」
「………なに?」
「いや、…ミョウジって黙ってれば美人だなって思って」
「待ってて今硬い豆持ってくる」
「ちょタンマ!タンマ!!続き!続きあっから!!」

なによもう!どうせロクでもないことなんでしょ!

「ナマエって黙ってれば美人で、…しゃべるとめっちゃ可愛いよな」
「………」
「あの、なにか反応イタダケますか」
「豆とってくるわ」
「結局!?結局それなのかよ!」

もう、もう!なによ!いきなり名前で呼んだりして!!
嬉しくない!あんなミエミエの嘘、嬉しくないんだからね!!

「ナマエ、今めっちゃ可愛い顔してるよ」
「じ、ジロちゃん!いつから見てたの!」
「最初から」
「可愛らしいですわ、ナマエさん」
「百ちゃんも…!うーうー!」

この羞恥、必ず晴らしてやる!!


「このっ!鬼はあああ外おおおお!!!」
「イテッ!いって!!ミョウジ!ちっとは手加減…!」
「黙れナンパ大魔王!!」
「大魔王!?イテッ!」
「悪霊退散!悪霊退散!!」
「なんか違くね!?」
「うるさいうるさーい!!」


ひと通り投げ終わってやっと胸のモヤモヤが消えた。

「ふぅースッキリした。」
「そりゃ良かったな…ところでさ」
「んー?」
「次は俺がスッキリしてえなって」
「え?私鬼するの?」

「いや。俺の恵方巻き咥えてくれればそれで…」
「ジロちゃーん!百ちゃーん!上鳴くんがーー!!」
「ちょ!ミョウジまじちょ!待って!ほんとゴメン!ほんとスイマセンした!!!」



上鳴電気で節分
そのネタ何番煎じなのよ

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