理不尽、マジ理不尽
最下位除籍って理不尽すぎる!
お茶子ちゃんも大分頭にきているようだ。そりゃそうだよ。大変な思いして入学したのに、初日に除籍されるかもしれないって!ふざけんな!
他の子はなんであんなに自信満々なんだろ…やだなぁお腹痛くなりそ…
ん?あれ?っていうか…
「うちのクラスって…もしかして21人いない?」
「えっ?そうなの!?」
第1種目:50m走の準備中に生徒の人数をお茶子ちゃんと数える。
1、2、3…
「あ!本当だ!21人いる!!」
「ここの教師は人数も数えられないのか…そうなのか、だからこんな無茶ぶりして1人振い落そうと…」
「ええっ!?酷い!!」
ぬぐぐ、おのれヒーロー科、理不尽すぎて言葉も出ない。やだな、犠牲にはなりたくないな…
「あ、最初の人たち走るよ!」
「ああ、ホントだあの眼鏡君はや、そ…」
「3秒04!」
ええ、ああ、そう、そーゆー個性…いいなぁ便利
あ、次お茶子ちゃんかー頑張ってー
「エンジンかぁ。ああいう単調だけど馬力のある個性って応用効いていいなぁ…」
「でも工夫がないよね」
「ダレキミ」
いきなり肩に手を置かれて謎発言。うっなんかキラーンってしてて目が痛い!
「”個性”を使っていいってのは…こういう事さ!」
キラ男君がお腹からビーム?を出して後方ジャンプしてゴールしていく。なんだこいつ。
走ってない。50m走なのに走ってない!
「走らなくてもいいなら、いけるかも…」
調度良く順番も回ってきたので位置につく。
とりあえずスタートのポーズはとっておいて…
(集中、集中…座標はゴールライン直前…)
スタートの掛け声を合図に……飛ぶ!!
「おぉおお?!何だ!?いきなりゴールしてんぞ!?」
「タイム…0秒48!?すげー!!1秒切った!!!」
「ナマエちゃん!すごい!凄い個性だよ!!」
「ありがと、でもなんかズルした感じであんまり気分は良くないかも」
いいのかなぁ、これで。
でも、まぁ、こんな感じでもOKなら最下位は免れそうだ。
「爆 速 !!」
うわあああ、あの不良爆破利用して走ってる…一緒に走ってる子可哀想…
ん?あ!あの子、入試の時に絡まれてた子じゃん!思い出したわ!!つくづく巻き込まれ不運なんだな…。名前言ってた気がするから同中とかかな?何にせよ、ご愁傷さまです…。
第2種目:握力
「っん!」
「右、31kg…左、28kg…と」
やっぱり基礎体力系はごまかしようがないな。
あと、さっきからすんごい視線を感じる。後ろ斜め下から…
何この…葡萄頭…ホビット?
「…何か用かな?」
「体力測定ってエロいよね…サイコー!」
意味分かんない。
その後、次々と種目を消化していく。
第3種目の立ち幅跳びは個性で余裕トップ。
第4種目の反復横跳びは幅が狭すぎて個性使うと逆に不利。普通にやるしかなくてあまりよろしくない結果に。
この時も葡萄ホビットに「反復横跳び、乳揺れサイコー!」って絡まれたな。なんなんだあいつ。
第5種目:ボール投げ
「セイ!!」
「∞!!?すげぇ!!∞が出たぞーー!!」
無重力の個性持ちのお茶子ちゃんにとっては最高の種目だね!
「すごいお茶子ちゃん!無限だって!」
「えへへ、なんとか記録出てよかったよ!次、ナマエちゃん頑張って!」
「お、おう…」
とは言ったものの、私の個性にも弱点がある。
私以外のモノを飛ばすと座標が不安定で思ったところになかなか飛ばせない。
回数こなせば、コツとか掴めそうだけど…
「(不安だ、とりあえずこっちの方向100mあたりに)…エイッ!」
「ボールどっか消えたぞ!?」
ピピッ
「…測定不能。ミョウジどこに飛ばした?」
「…スミマセン先生。ワカリマセン。スミマセン。」
「とりあえず、2投目は慎重に投げろよ。測定不能は結果残せないからな。」
やっちゃった。ボールさんごめんなさい。
もう普通に投げたほうがいい気もするけど…。
負けず嫌い…なんです!
「(集中、集中。今度はもっとよく見て…一番奥のラインに座標を合わせて!)…エイッ!」
ピピッ
「703m…か」
よかったー!ボール消えなくてよかったー!なんか絶対座標ずれたけど結果良しですネ!
でもなんか
どっと疲れたあと3種目もあるよ…
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