「ほ、本当にやるの?」
「コッチの方にも慣れねえとだろ」
「そ、そういうものなのかな…?」
「そういうもんだ(多分)。…ナマエが嫌ならやらねえけど…どうする?」
「嫌って…ワケじゃないけど、…焦凍はそれでいいの?」
「構わねえ」

通い慣れつつある焦凍の部屋。
ベットの淵に腰掛けた焦凍がおもむろにベルトに手を掛ける。
室内にカチャカチャと金属音が響いてる気がして、私が脱いでいるわけでもないのに途方も無い羞恥心に襲われる。


「見るならしっかり見てろ。今後の為にもな」
「(こ、今後…?)う、うん」


ベルトを外し終え、ジッパーを降ろし半身を寛げる。
当然、彼の下着の布地が目に入る。男性用下着はそれ程詳しくはないが、恐らくはボクサー型であるそれを視界に入れつつ、やはり慣れぬ羞恥に段々と目が泳いでしまう。
今からこんなんでこれからどうなってしまうのか、少しの恐怖と好奇心からの期待が入り混じった視線を焦凍に向ける。
それを何かの合図だと捉えたのか、しばらく動かなかった彼の右手がそっと彼自身の半身に触れた。


「わかるか?」
「う、うん」


下着の上を摩る指が彼の形を示している。う、動きがなんかやらしい。


「手、かせ」
「え…」
「今日はこれ以上脱がねえよ。お前まだ怖がるだろ」


彼なりに私の事を気遣ってくれているらしい。怖いも何も見た事ないので何とも言えないが、まだ生で見るのは心の準備というか覚悟が出来ていないのも事実。
なんでもお見通しとか怖い!


「私、さ、触ったこともないよ?大丈夫かな?」
「(他の奴の触らせるわけねぇだろ)俺の言う通りにしておけばいい。そっから覚えていけ」


何を覚えさせようとしてるんだ!?
若干背筋がヒヤッとしたけど、素直に右手を彼に差し出す。

「無理だと思ったら言えよ」
「大丈夫だよ、焦凍のだもん」

右手を包まれて、反対側の手で頭を撫でられた。いい子いい子ってされてるみたいで凄く気持ちいい。
そのままゆっくりと右手を誘導される。
始めは包み込むように、段々と形をなぞるように摩っていく。


「…あったかい」
「当たり前だろ」

フッと微笑を浮かべた彼を顔を仰ぎ見る。凄く、優しい目つきでほんの少し緊張が解けた気がした。


「…自分で動かせるか?」
「う、うん。やってみる。痛かったら言ってね?」

未だ私の右手を包んでいた焦凍がそっと離れていく。
それ程知識はないけれど、どうすれば男の人が気持ちよくなるかは少しは知っている。少ない知識をかき集めながら、先程と同じ様にさすり始める。
少し強めに押してみたり、先端付近を重点的に触ったり。
すると、段々と質量と硬さが増していくのがわかる。これは、気持ちいいのかな?


「…っ、」
「あ、い、痛い?」
「いや…良すぎる」

若干息を荒げている焦凍が物凄く色っぽい。男の人に色っぽいは表現として合ってるのかわからないけど…
なんか、私も顔とか火照る。触れている手なんて熱いぐらいだ。


「ナマエ、両手で出来るか?」
「うん、やってみる」


左手もそっと当てると、さっきよりもずっと形がわかるようで余計に恥ずかしくなった。
それでも焦凍が気持ちよさげにしてるから、それが嬉しくて手を動かすことに夢中になっていく。
もっと、もっと気持ちよくなって欲しい、私の手でもっと。


「っは、ナマエ、はぁ、ナマエ、」

彼がうわ言のように私の名を呼ぶ。それだけでも嬉しくて手の動きを速める。教えられたわけでもないのにそうしたのは本能なのだろうか。無意識的に私も焦凍を求めていたのだろうか。
しばらく経って、彼のモノが下着の中で窮屈そうにし始めた頃、異変に気付いた。


「(なんか、出て、きた?)」
「…く、ナマエ、待て」

咄嗟に焦凍が私の手を掴み離させる。

「ご、ごめん、どこかおかしかった?」
「いや、大丈夫だ。…出してくる」
「え、…あ、うん」

一瞬何のことかわからなかったけど、今さっきの彼の状態を思い出して何となくわかった。


「脱がねえで出すと後々面倒だからな」
「う、うん」
「…次は最後までやってもらう」
「えっ!?あ、が、ガンバリマス!」

言った後、何言ってんだ私!って後悔した。ガンバリマスってなんだガンバリマスって!


「フッ、期待しとくぜ」

また頭を撫でられ、そのまま焦凍は立ち上がって部屋を出てしまった。
残された私は1人火照る身体をどうしていいかわからずに、ベットに顔を押し付けてため息を吐いた。


「(私は触られてもないのに、すごいドキドキしてる)…はぁ」

なんか、先が思いやられる…かも



轟焦凍のステップ2
彼の身体にも慣れましょう


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