その後の講評では先と同じように八百万さんが痛いところを付きながら意見を述べていった。

「轟さんの個性の威力はとても素晴らしいものですが、個性に頼り過ぎな点が否めません。」
「障子さんの個性で先に敵の場所を把握できたのであれば、もっと協調性のある行動がとれたはずです。」
「ミョウジさんは流されすぎです。ヒーローとして生き残りたいのであればもっと自分を売り込んで行かなければ!」

その後もお小言…いや講評は散々ですっかり気落ちしてしまった。
確かに、もっと強く意見すべきだったとは思うけど…うぅ、ここぞって時に強気になれない私ヘタレ…
最後のオールマイト先生の「授業としてはアレだが、ミョウジ少女の行動は決して間違いではない!その仲間を思う優しさ忘れないで欲しい!!」って言葉で少し救われたかな。
多分それも時と場合によるんだろうな。助けに行って足手まといになったら意味無いもの…
いや、しかし、それでも納得いかないところがある。この後皆で訓練の反省会やるって言ってたし、もし機会があったらビシっと言ってやろう!!



「やっぱ緑谷が一番あつかったよな!!」
「うんうん!よく避けたよ!!」
「そういえば緑谷くん遅いね、お茶子ちゃん後で保健室行ってみる?」
「そうだね!心配だもんね!」

皆と意見を交換しながら訓練の反省をしていく。と言っても何だかんだいった後に緑谷くんの話で盛り上がるんだけど。

「ミョウジ」
「ん?あ、障子くん」
「訓練の時はすまなかった。もっとフォローしてやればグループとして上手く行けたかもしれん。」
「障子くん…」

いい人!!無口野郎とか言ってゴメン!君はいい人だ!!

「轟くん、今の障子くんの言葉を聞いてどう思いますか」
「…悪かった」

うーわーすっごい言わされてる感はんぱない

「だが、あの状況下で一番早い回収方法を選択したつもりだ。あの場では俺がやるのが一番効率がいい」

反省してない。この人反省してない。

「だとしても!もっとやりようがあったと思うの!八百万さんが言ってたようにもっと協調性を持ってよ!ヒーロー目指すなら、もう少し周りに目を下ったほうがいいんじゃない!?」

言った!言ってやったぞ!
この人見目はいいから今まで周りに甘やかされてきたに違いない!個性も凄いから親もヒーローか何かで恐らく英才教育だ!だから自分に自信有りまくって協調性が足りないんだ!私はイケメンだからって甘くしないぞ!コラァ!!

「ミョウジは自分以外のものを飛ばすのがまだ不得手なんだろ。」
「えっ…」
「詳細な場所がわからなければ、正確に飛ぶことも出来ない。あの時『核の正確な場所調べて』つったのはそういうことだろ?どこにあるか分からないモノの目の前に器用に飛ぶことは出来ない。違うか?」
「ソノトオリデス…」
「俺たちを上手く飛ばすことは出来ねぇ。1人で探しに行く事はできても、敵前目下、危ねえことはさせられねえ。ましてや尾白の身体能力はお前より遥かに上だ。葉隠はまず見えないしな。」
「…」
「危険を犯す必要はない。最も確実に最も正確な選択をしたつもりだ」


ミョウジナマエ、齢15にして産まれて初めて人に論破されました。


「轟、そのくらいにしとけ」
「そうだよ!ナマエちゃんを虐めないで!私もめっちゃ寒かったんだから謝って欲しいよ!」
「いや、それは葉隠さんにも問題あると思うよ…(倫理的に)」


障子くんがなんかフォローっぽいこと言ってる。
透ちゃんと尾白くんも場の空気を変えようと漫才してくれて…いい人達だよ本当に…


「そうですよね、使えない私がいけないんですよね」
「ナマエちゃん!?」
「…使えないとは言ってないだろ」
「ううん、個性を使いこなせてない未熟な私がいけなかった。もし、私がもっとこの個性使いこなせてたら、轟くんも私の個性を有効活用できたでしょ?」
「…まぁ、な」
「……さっきはごめん!何も出来なかったことが悔しくて八つ当たりした。

…でも、次までには今より個性使いこなせるようになる。その時にはもう『必要ない』なんて言わせないからね!」
「…おう」


言いたいこと全部言って、冷静な意見を本人から聞いて、なんか頭がすっきり出来た。
と同時にこれからやらなきゃいけないことが明確に見えてきた。
ヒーローに成るために何をしていいのかわからなかった時よりずっと頑張れる気がする。


「ミョウジかっこいいよー!」
「なんかミョウジも熱いな!俺も負けてられねー!!」

クラスの中でも一際元気な芦戸さんと切島くんがその場をまた盛り上げてくれる。良いクラスだなぁ



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今日が、私のスタートライン


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