「す、すごい緑谷くん…!」
第一戦はAグループ対Dグループ。
つまり、緑谷くん・お茶子ちゃん(ヒーロー)VS爆豪くん・飯田くん(敵)だ。
始まってからいきなりの爆豪くんの奇襲を上手くよけた緑谷くんは、次の攻撃には見事カウンターアタックをお見舞いした!すごい!
その後も戦闘は(主に爆豪くんが暴れて)エスカレートしていき、危険のため中止になりかけたところで緑谷くん達の勝利で終わった。
熱すぎた第一戦に皆興奮し、士気を高めている。
その後の講評もかなり質の高いものだったと思う。(主に八百万さんのお陰で)
「(皆すごいな…私も負けてられない!)」
と、意気込んでみたのはいいものの建物の損傷がひどいため、私達第二戦組は場所を移してからの実践となった。
「………」
「………」
「………(うっ、気まずい!お願いだから何か喋って!!)」
結局、同じグループの障子くんと轟くんとは何も喋らず戦闘開始となってしまった。
「(どーするんだろう…)」
二人の様子をそっと伺ってみると、障子くんが個性の複製腕の先を耳の形に変えて何かを探っていた。
「…なにか聞こえる?」
「ああ、四階北側の広間に1人、もう1人は同階のどこか…素足だな…透明の奴が伏兵として捕える係か」
すごい、そんなことまでわかるのか…素足の方は十中八九葉隠さんだ。ブーツを脱いだってことは手袋も外して本気で隠れるモードなんだろう。全裸か。全裸なのか葉隠さん!!
「(そういえば、始まる前にやけに気合入ってたな…)私、一度四階に飛んで核の正確な場所調べてこようか?」
「必要ない。」
おい。おい!必要ないって2回目だぞ!!失礼じゃないか!?
「…じゃあどうするの?」
「外出てろ危ねえから。向こうは防衛戦のつもりだろうが、俺には関係ない」
めっちゃ上から目線にイラッときたが、素直に障子くんとビルの外にでる。一体何する気なんだか。
「1人でどーするんだろうね」
「…なにか考えがあるんだろう」
「だとしても、もう少し協調性をっ!?」
障子くんと話しているといきなりビル全体が凍ってしまった。なにこれ、え、なにこれ
「はっ!えっ!?なにこれってか寒ッ!!!」
「コレが轟の個性だろう」
いやいやいやいや強すぎだろう!?こんなん中にいたら巻き添え食らって凍っちゃう…あ
「やばい!葉隠さん!」
「?ミョウジっ!!」
障子くんには悪いけど、真っ裸の葉隠さんが心配で速攻で四階に飛んだ。戦闘訓練とはいえ氷漬けは可哀想すぎるだろ!
「っ葉隠さーん!?だいじょうぶあさむーーーー!!!」
「ミョウジさん!?」
「…なにやってんだお前。外いろっつったろ。」
飛んだ先は丁度核のある部屋だったみたいだ。尾白くんと轟くんが核の前にいる。あ、核回収したのね。
「ささささ寒い!!」
「だ、大丈夫?ミョウジさん」
「そりゃその格好だと寒いだろうな」
「葉隠さんはもっと寒いってーの!轟くん核回収したなら早くコレ何とかしてよ!」
「元からそのつもりだ…悪かったな、レベルが違いすぎた」
「熱…!」
「(熱も出せるのかよ最強かこの…)うわっ!」
「ミョウジさーん!」
いきなり背中に何かがぶつかって来た。後ろを見ても何もない…あ、
「葉隠さん!?大丈夫だった!?」
「寒かったよー!動くと足の皮剥がれるぞって脅されてさー!」
なにそれ酷い。ちょっとやり過ぎじゃない?
「足は大丈夫?」
「うん平気ー!ミョウジさん心配してきてくれたの?敵なのに?」
「あ…うん、敵役でもクラスメイトだし…つい…」
やばい、今の私の行動ってどうなの?ヒーローって役を演じきれなくて減点対象なんじゃ………
「ミョウジさん……好き!!超いい人!」
「ん!?」
「ナマエちゃんって呼んでいい!?お友達になろう!!」
「えっ!うんっいいよ」
「わーい!ナマエちゃん大好きー!私の事、透って呼んでねー!」
懐かれた。なんか可愛いな葉隠さ、いや透ちゃん
授業的にはアレだけど、友達増えたからいいか。
あれ、っていうか私…
何も出来なかったただ見てただけ!?うそぉ!
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