手の中に二つ



もしもどうしても彼の中で一つだけ好きな所を選べと言われれば、折原臨也はすぐに眼球と答えるだろう。それくらい、平和島静雄の瞳は澄みわたり、どこまでも純粋で、精巧に配置された光彩と、日本人らしい茶色と表現出来るはずの色なのに、光の加減で不思議と見る者が惹かれてやまない琥珀色を兼ね備えていた。
他の部分などすべからく価値はない、と言って憚らない臨也も、素直にそこだけは美しいと内心認めていたほどに。

「腐っちゃったらもったいないよね、」

だから、殺した後に眼球をすぐさま抜き出して保存しようとした彼の行動は、ある意味、筋の通った行動なのかもしれない。


「やっと捕まえた」








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