全部夏が悪い |
※高校生妄想 つつ、と雫が静雄の、その細い腰の上を伝っているのが見えてしまって、思わず視線を彷徨わせている自分に気がついた。何故だ。男の裸どころか、女だって見あきているはずなのに、どうして自分はこんなに動揺しているのだろう。 「プールから上がった奴から順番に並んで行けよー」 間延びした体育教師の声が聞こえた。 行き場を失った視線を収める先として上を見上げたら、嫌みなくらい澄み切ったスカイブルーが見返した。ああ、夏なんだなぁと思えば、先ほどの動揺にも体の良い言い訳を思いついた。 小説top |