悪魔の証明 |
つまりそれは、限りない可能性の雨。 たとえば、愛の反対は無関心だというのは有名な話だけれど。 じゃあ俺の中に君に対する愛がないと証明することは限りなく不可能に違いない。だって“無い”ことを証明することはできない。そのことを証明することは限りなく不可能だから。“有る”ということを証明するにはその一部分でも見つければいいだけの話だけれど。 本当に悪魔みたいな感情だよ。愛なんて。俺は人類を愛しているけれど、本当にどうしようもない矛盾を抱え込んだ感情だと思わない? 大体定義さえままならないんだから。 ま、“有る”ことだけが証明できるけれども俺は君に対して愛しているなんていう感情を探すつもりもないし、探したいとも思わない。ただ君に死んでほしいだけ。 でも、俺の中には君に対する無関心なんて言うものは無くて、ただ興味と関心だけがある。これってさっきの定義で言うならば愛に含まれるのかもしれない。俺は君のことが嫌いだ。死んでほしい。出来ることならばなるべく早めがいい。 ならば、俺の中にある君に対する感情の名前は何なのだろうね? 小説top |