ループする愛憎劇 |
※15禁 灰色の部屋の中に俺は居た。残念ながらノミ蟲もいる。そして俺は、後ろ手に手錠をはめられて、拘束されていた。いわゆる監禁というやつだ。変な薬品を打たれて、普段のような力を発揮できない俺は、ただの一般人となんら変りなくその拘束を甘んじるだけしか出来ない。 「俺とシズちゃん、二人だけだね」 今まで犯罪すれすれのラインまでは来ていたこいつも、これは確実に犯罪である。本格的にこいつは俺のことを殺しに来たらしい。が、少なくともただ殺られる俺ではない。 にやにやと優越感に浸る笑いを浮かべた蟲の顔を睨みつける。 「気色わりぃな。死ね」 「うわ、酷い。ま、俺も君に精神的に死んでほしいけれど」 幸いなのか分からないが、俺の口には猿轡もなにもされてはいなかった。いざとなれば、舌でも噛み切って死んでやろうと思っていた。 「もしかして、舌を噛み切って死ねると思っているの? 馬鹿じゃない、シズちゃん。君が死んだら、弟くんも両親もみーんな道ずれにして死ぬよ。社会的にね」 その言葉に、俺は奥歯を強く噛んだ。本当にこいつは死んでしまえばいい。むしろ、この場で殺してしまいたい。しかし俺は、眼にさらに憎しみを籠めるだけで、何も言い返さなかった。何もできずにこいつの言いなりになるしかないことを悔しいと思っているなんて、悟られてはならないのだ。 けれども、そんな俺の心情までもすべて見透かしたように、ノミ蟲は嗤った。 「それに、君の口は死ぬためにあるんじゃないよ。もっと有効的に使うべきだ。ってことで、そうだなー。最初にフェラでもしてもらおうかな?」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ……続かないよ! 小説top |