CUBE |
「バラバラになっちゃった」 そう呟いた臨也の足もとにはいくつものカラフルなプラスチックのかけらが落ちていた。それを臨也はただ立って見ているだけで拾おうともしない。仕方がないので自分が拾えば、それはルービックキューブの破片だった。今は見慣れた立方体ではなく小さな部品になってしまっている。緑と赤と白と黄色と青と橙。 元の様に嵌められそうで、適当にそれらを嵌めていったら、今度は色がバラバラになってしまった。 きっともう、このルービックキューブは元には戻らないだろう。 そんな予感が胸をよぎる。 小説top |