ロール



階段の手すりにつかまって、そのまま体を外側に押し込んだ。つまりは飛び込んだ。
外階段の二階からの高さはそれなりのスリルを俺に味あわせてくれるけれども、これくらいのことは普段からしていることだ。むしろ今は後ろから追いかけてくるものの方が恐ろしい。

「いいいぃざあああぁやあぁあぁッ!」

変わらない怒声を背後に聞きながら地面に落下。前に転がって衝撃をいなしてそのまま駆け出した。今の目標は学校内で人ごみに紛れ込むことだ。
コンクリートの床でのロールはやっぱり痛いなあと思いつつ、それでも後ろから自分の後を追って彼は二階からダイブしているに違いない。ドスッという落下音が後ろから聞こえてきて俺の予想が当たったことを教えてくれた。シズちゃんがロールなんて技術を会得しているはずがないのに、そこからすぐにこちらに駆ける足音が聞こえてくる。
常人ならあんな無茶な着地で痛めてるっていうのに、まったく、これだからシズちゃんとの追いかけっこはスリルがあるよ。









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