それはあっけない最後でした。 |
※死ネタ そいつの墓は、ねじ曲がった性格や性根を現すような奇抜なものではなく、ごくごく一般的で、どこにでもありふれた墓だった。墓石があり。線香立てがあり。誰が供えたか、ちゃんと菊の花まで立ててあって、あいつにもそうしてくれるような奴が居たのだと改めて思った。だからこそ、ここにいると言われているやつの印象が俺の中で崩れそうになってきてしまった。そんなこと、未来永劫あるはずがないのに。そんな微妙に不安定な精神だからこんなに煙草の煙が目にしみることもあるのだ。 そう思いながら、俺はあいつの墓石で煙草をもみ消した。 小説top |