リヴァイと生活するようになってから、私はたくさんのことを知った。まず彼は22歳で、私よりも12歳も年上。両親はおらず、1人で生活していた。あんまり笑顔は見せなくて、普段から怒ってるような顔をしてる。それでもたまに、本当にたまーに見せる笑顔は、とてもかっこいい。あと、お兄ちゃんって呼ぶと赤くなって照れるの。優しくて、強くて、かっこよくて、かわいい。そんなリヴァイが大好きだった。


「なまえ、行ってくる」
「わたしも行く!」
「…ったく」

さっさと準備してこい。そう言ってリヴァイは玄関から出ていった。私たちは今、一般市民からお金などを盗る、いわゆるゴロツキからのみお金を巻き上げ毎日生活している。こんな生活をずっと続けていたせいかリヴァイは喧嘩に強く、怪我をして帰ってくることなんて本当たまに。時々リヴァイと町に行くと、よく怖そうなお兄さんたちに囲まれる。それでもリヴァイは怯える様子なんて少しも見せないで、お兄さんたちをなぎ倒していく。強いリヴァイを身近で見ているおかげで、私も少しずつだけど喧嘩のやり方や護身術を覚えていった。「なまえは大人しくしてろ」リヴァイはよく私に言った。それでも数が多いときは2人で一緒に喧嘩して、ボロボロになって家に帰ったりもした。決して裕福な生活ではなかったけれど、リヴァイと過ごす毎日はキラキラしていた。

「お待たせしました!」
「さっさと行ってさっさと帰るからな」
「りょーかい。守ってね、お兄ちゃん」

へらりと笑えば、「…調子にのるな」おでこをはじかれた。これが結構痛い。それでも照れたように視線をずらす仕草がかわいくて。歩き出したリヴァイの背中に飛び付いた。

この幸せな生活がずっと、続くと思っていた。




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