2015/01/23
ぼくらのデート

ぼくらのデート

「春休みだし……!」


そんなわけで立海レギュラー陣でとあるテーマパークへ来ました。

「うわ、仁王マジモード?」
「そういうお前さんかて、決めとるじゃろ」
「ブン太はもこもこしてて可愛いね」
「寒いかなーと思ってさ!幸村君の服装格好いいな!」
「……おまんら、こっちの話は無視か」

駅でみんなで待ち合わせ。いつもより服にこだわっていそうな仁王を幸村がいじる。
なぜかと聞かれれば、仁王の恋人がここにいるからで。
当の本人は、仁王の無駄なおしゃれなんて気がつきもせず、もこもこしたダウンジャケットにジーパンと普段通りの格好だ。
仁王なんて、ネックレスまでつけて格好付けているのにね、と幸村はこっそり笑うのだった。その様子を把握しつつ、何も言わないのは柳の役割である。

「まずは何に乗りますか?」
「あれがいいッス!激しいやつ!」
「いいな!」

絶叫系が大好きそうなメンバーがその乗り物があるらしい方面へと行きたそうにしていた。

「待って、もしものときのために伝えとくね。せっかくみんなできたんだから帰る時間は一応合わせよう。7時にここにまた集まること。以上、解散!」

まるで部活かのようにイエッサー!と告げた赤也、ブン太が、走り出し、その後にジャッカルと仁王が続いた。

「幸村はいいのか」
「今回はいいかな」
「それなら、みんなが並んで乗って帰ってくるまでにおよそ100分かかるから、その間に乗れそうなものを乗らないか」
「いいね」

柳がこっちだと歩を進めると、幸村と真田と柳生がぞろぞろとついて行く。きっと、柳はこの日のためにアトラクションや待ち時間をいっぱい調べたのだろうと思うと、幸村は自然と口元が緩んだ。



お昼も食べ終え、いくつか乗りたい物を乗り終えたレギュラー陣は、みんなで飲食する物を出店で頼むことにした。3時のおやつといったところだ。
ポップコーンを頼んだブン太が受け取ると、仁王がさりげなく隣にやってきた。

「のう、ブンちゃん、ブンちゃんがさっき行きたいって言ったとこ今ならあんまり並ばんで乗れるらしいぜよ?」
「マジで!?ジャッ…ふがっ……!?」
「2人きりで行かん?まだ全員分来てないみたいじゃし」

ブン太の口を塞ぎながら、仁王はそう言った。

「なあ、デートせんか?」

デートって響きが、どこかくすぐったくて、そわそわする。ブン太は、こっそり周りの様子を窺った。
……まあ、少しくらい、いいよな!

「に、おわ!?」

肯定の言葉を発するまでもなく、仁王はブン太の腕を掴んで、目的地の方へ走り出した。それに気づいた赤也が2人を指さして大声を出した。

「あー!!!仁王先輩と丸井先輩がどっか行く気ッスよ〜!!!」

ついて行こうとするのを止めるのは、やはり、柳の役割で、止められた赤也は少し不服そうな顔をしながらも持っていたポップコーンを大人しく頬張った。
その様子を走りながら確認した仁王が笑う。

「上手く振り切れたようやの」
「みたいだな」

ブン太もつられて笑う。今日の仁王は楽しそうだ。
学校にいるとき、特に屋上にいるときは、どこか寂しそうな表情を見せるけど、今日はそんな一面がなかった。
仁王もまだ子供なんだな、そう改めて思うのだった。

「ところで、本当にあんまり並ばないで乗れるのかよ」
「それは本当」
「じゃあ何が嘘?」
「実は全員分頼んだのが来てたってこと?」
「それなら、うん、許すかな」
「ありがとさん」

そんな些細な嘘ならとっくに許容してる。



「他にどこ行きたいん?」
「んーそうだなあ……」

無事にお目当ての乗り物にも乗れた。
みんなで帰るまであと2時間くらい。2人だけの特別な時間。

「仁王は?」
「2人きりになれるとこ?」
「どこだよ、それ」
「そうやのう……」

さっきまで待ち時間を携帯で調べてたくせに、そこは紙の地図で調べるのか。
ブン太が思わず笑うと、仁王が怪訝そうな表情でこちらを見てくる。

「何?」
「いや?どうせなら落ち着けるとこがいいのかもな。絶叫系とかさっきみんなで乗ったしさ」
「それなら……これかのう」
「ちっちゃい頃そこよく乗ったわ〜」
「行く?」
「もちろん」

ブン太が頷くと、仁王も決まりじゃなと言って目を細める。今日の仁王は本当によく笑う。
2人で見る景色はあの頃とまた違って見えるじゃないかなって思うんだ。こんなこと言ったら絶対仁王にからかわれるけどな。

「絶対楽しい思い出にしちゃる」
「すげえ自信だな」
「今、そんな気しかせん」
「ははっ楽しみにしてるよ」

仁王が不意にぽつりと呟いた。きっと、ブン太に直接言うつもりで言ったのではなくって、決意表明みたいな、そんな感じだった。
思わず、突っ込んでしまったが、きっとその言葉は本当だ。だって今もうすでにこんなにわくわくしているんだからさ。

「じゃあ、行こうかの?」
「おう!」

さっと目の前に差し出された手を取って、2人で決めたアトラクション向かう。
ちょっと恥ずかしいけど、たまには仁王のお望みに応えよう。今日はずっと笑いっぱなしだ。


こんなに楽しい時間、ずっと続いてしまえばいいのに……!



その2人の様子をレギュラー陣が微笑ましそうに見ていたのは後の話。


(●^o^●)
まつさまリクエストの、テーマパークでデートするバカップルニオブン+立海レギュラーでした!
いかがだったでしょうか。バカップル…になっていたでしょうか?
あからさまなバカップルっぽさがちょっと足りないですかね;?

久しぶりに立海全員参加のお話を書いたのですが、ものすごく楽しかったです///
みんなこんな行動するのかなって考えたりして妄想が膨らみました!

リクエストありがとうございました!!!





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -