「…俺早く帰りたいんだけど。寝たいんだけど。なあおい聞けよ」

「よーし!練習だーっ!」

「「「おー!!」」」

「………」


放課後。
さっさと帰ろうと空っぽの鞄を肩に下げて教室を出た所を一之瀬に拉致られてしまった。
余りに恐ろしい笑顔だったため、逆らえない内にズルズルと連れて来られた先は当然の様にサッカー部部室で。
ジャージなんて持って来てないと言ったら豪炎寺が無言で差し出してくれた。柔軟剤の良い香りがする。なんかちょっと豪炎寺に対するイメージ変わるよな…昼の弁当といいジャージといい。


「蒼衣さんっ、今日は宜しくお願いしますね!」

「え、ああ…うん」


音無とかいう後輩に記録紙を渡されて、どこに何を書くのかを説明された。
ていうか俺マネージャーの手伝いに呼ばれた訳ね。だからジャージだった訳ね、なるほど。


「(まあ天下の雷門イレブンだもんな)」


教わった通りに作業をこなして行く。
ぼんやりと円堂達の練習を眺めていたら段々と眠くなって来た。あーやべ。紙にミミズが踊る。



「…蒼衣!?」


駄目だな俺。
何も考えられ無いくらいの眠気の波に、俺は逆らうことなく溺れていった。




きみの秘密と


(眠い、眠い、眠い)






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