結局後ろから走って来た円堂達に引っ張られ、サボろうと思っていた一時限目をしっかり受けさせられてしまった。
とは言っても俺の席は窓側の後ろから二番目。
ストーブの暖かい風を受けながら重たくなってくる瞼に、逆らえる訳がない。



「蒼衣!おーい!」

「円堂、そんなに大声を出すな…」

「だあってもうお昼だぜ?早く飯食って練習行かないと!」

「……ん、…」


耳元でわんわん鳴り響く五月蠅い奴の声に、沈んでいた意識が浮上し始める。
昼?あれ、俺が寝たのって…いつ…


「…四時間も寝てたのか…」

「起きたか、蒼衣。お前先生が何度起こしても起きなかったんだぞ?これ課題だってさ」

「げ」

「蒼衣!早く飯食ってサッカーしようぜ!」

「やんねぇよ馬鹿。あーあ、風丸ーこの課題やっといてよー」

「駄目だ。自分が寝てたのが悪いんだろ?大した量じゃないんだし自力で頑張れ」

「ぶー」



数枚のプリントを受け取って、大人しく風丸に頭を撫でられていれば隣から上がる非難の声に眉をしかめた。
こいつ本当に五月蠅いな。ボリューム落とすってことを知らないのか…。
ビニールから取り出したパンに齧り付きながら、午後の授業はちゃんと受けようと思った。



夜更かしも程々に


「どうでも良いけど豪炎寺、お前の弁当可愛いな」
「そうか?」
「(にんじん花形だし…)」






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