※絶望アイロニー続き風味
「アツヤ」
「…なあに、なまえ」
綺麗に綺麗に笑うなまえが見せる表情は、間違なく僕が見たかったそれだった。
呼ぶ声も体温も、僕が望んだ。
違うのはなまえの見る世界だけ。
「士郎はアツヤ」
「うん」
「アツヤは士郎」
「うん」
「じゃあ俺は、お前を愛すれば良い」
うん、
答えた声な何故か震えてしまったけど、僕は多分嬉しかった。
そうだよなまえ。
僕はアツヤでアツヤは僕だ。
見上げるなまえの顔に落ちた雫はきらきら光って綺麗なんだろう。
霞んだ僕の視界では
よく分からなかったけど。
君は嗤う
(ごめんね士郎、ごめんね)
(ちゃんと愛したいの、に)