17.カノキド
「…おい、カノ。わかってるのかよ」
彼女は言う。
いつまで欺いてるつもりだ、と
「わかってる、頑張ってるよ」
そう言えば彼女はそうか、と口を閉ざす…しかし、今日は違った。
「…そうやって自分から逃げるの止めろよ」
その一言でやっと気付いた。
自分は結局、自分から…優しい皆から逃げてたんだ。
「…うん、そうだね。ありがとう。」
そう言って部屋に戻るとき、彼女の笑顔を横目で見た。
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