09.遥貴



生まれつき体が弱かった僕はいつ死んでもおかしくなかった。


正直ここまで生きてこれたのも奇跡的なことであり、これからも生きていけるという確証はない。


だから僕は今という時間を無駄にしないように生きていく。


明日には死んじゃうかもしれない。


いつ発作が起きて死ぬなんて分からない。


だから僕は後悔しないように好きなものをいっぱい食べる。


「…馬鹿、何で…死ぬ、とか言うの…」


なんで君は泣くの?


僕がその理由を知ることはなかった。


最後に僕は一つだけ後悔をしてしまった。


君に僕の想いを伝えたかったなぁ…。


「…大好きだよ、貴音」


この想いは君に届かないまま













貴音が好きで今まで後悔をしないように生きてきたのに貴音に想いを伝えることがどうしても出来なかった遥の後悔のお話。




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