初恋は叶わない




生まれた時から私の人生は既に決められていた。





女に生まれてしまった私
人に見てもらえない体質の私





お父様には必要のないものでした。





女には会社を引き継がせない。





だから女である私はどこか金持ちの会社の社長の息子に嫁に出される。





それは小さい頃から言われ続けていました。





私はお父様を尊敬していました。




だからお父様の言うことに何でも従ってきました。





「つぼみ。お前は将来、幸助君と結婚しなさい」





「はい」





幸助君はお金持ちの息子でした。




私は幸助君と結婚することに何の疑問も感じませんでした。





そんな私ががらりと変わってしまったのはある男の子と出会ったからです。





「つぼみちゃんのことは絶対に見つけるからね」





運命だと思った。





いつも人から見てもらえなかった私を、見つけてもらえなかった私を見つけてくれたのは修哉君だけでした。





修哉君と幸助君と私。





三人で遊ぶ毎日は楽しかった。





私はもっと欲張りになってしまいました。





“修哉君と一緒にいたい”





私を見つけてくれるのは彼だけなんです。





私には彼が必要なのです。





私はある決意を胸に修哉君に別れを告げました。





夕暮れの公園に私と修哉くん、二人だけの時。





「しゅうや君、お父様がね家で勉強してなさいって言うからもう遊べない。だから、バイバイ」





私は生まれて初めての嘘をついてしまいました。





私は一方的に別れを告げ次の日から修哉君と幸助君と三人で遊んでいた公園に行かなくなりました。




別れを告げたあの時、修哉君は泣いていました。





それは彼にとって私という存在が大きかったと表すものだと信じて私は会社を引き継ぐためにいっぱいいっぱい勉強して、





一人称を『私』から『俺』に変えました。





喋り方も男の子みたいにしました。





時々、クラスの男の子にいじめられたこともありましたが私は止めませんでした。





泣いてばっかりだった昔の弱い『つぼみ』を捨て、強い『キド』になるんです。





そしたらきっとお父様は私を認め幸助君との婚約も取り消してくれるはずです。





だから、お願いです…私から彼をとらないでください。










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