訪室する(セトマリ)





「せ、と……っ」





小さな声が聞こえて目が覚めた。弱々しくドアを叩く音も。
この声は、マリーだ。時計を確認すると、日付が変わる五分前。いつもなら、眠っている時間だろうに、どうしたのだろう。
僕は不思議に思いつつも、がちゃりとドアを開ける。案の定、そこにはマリーがただ一人立っていて、枕をぎゅっと握りしめていた。




今にも泣き出しそうに潤んでいる瞳。怖い夢でも見たのだろうか。




「マリー? 眠れないの?」
「う、ん……。いつもなら、寝付けるのに今日は寝付けなくて」





ごめんね、と申し訳なさそうに謝るマリーに大丈夫、と言ってから、部屋に入るよう促す。すると、彼女は急ぎ足で入室した。





「あ、あの……」
「うん。一緒に寝る?」
「い、良いの?」
「良いっスよ? マリーなら大歓迎」





にこりと笑顔で頷く。この状態の彼女を一人にしておけない。それに、僕を頼ってくれた事が嬉しかった。
僕の言葉を聞いたマリーは、有難う、の後にごめんね、ともう一度。





「謝る必要なんかないっス。遠慮しないで良いんスよ?」





僕はベッドに移動し腰かけると、おいで、とマリーを呼んだ。
トントン、と膝の上を叩くと、彼女はおずおずとそこに座る。そんな彼女の頭を撫でながら、





「僕、マリーが眠れるまでこうして此処に居るから。これなら、怖くないっス」





と告げる。マリーは、少し間を開けてうんっ……怖く、ないね、って頷いてくれた。





暫くすると、彼女は安心したのか僕の腕の中で寝息を立て始めた。




(夜が明けて、目を覚ますと)
(目の前にマリーの幸せそうな寝顔が飛び込んできて)
(どきりとした)











初めて貰った文なのでとにかく嬉しくて嬉しくてしょうがなかったですね!!笑


セトマリのほのぼの感がいいですよね!!









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