コノハとのキスから私は遥に恋している貴音に戻ったかのように胸の高鳴りが治まらなかった。コノハと触れた自分の唇に人差し指を滑らせてみる。
「〜っ!!!!!!」
思い出したらまた顔が緩んできた。いけないいけない、ご主人にこんなところ見られたら一生の恥だ。
「どうしたの、エネ」
ひょっこり現れた赤色の瞳。
「え、ギャアァァァァァ!!!!!ち、違いますから!!べ、別にコノハにキスされたことを思い出してニヤニヤしてたとかそんなんじゃないですから!!」
自分で墓穴を掘った。あー、もう穴があったら入りたいとは正しくこれだ。
「…エネがしたいなら、もう一度やっても…」
「い、いいですから!!もうどっかに行ってください!!」
またコノハにキスなんかされたら心臓がもたない。
「でも…」
「いいから!!あの時みたいに泣きませんから安心してください!!」
大してない胸を張ってそう言えばコノハは観念したのかトボトボと歩いて去っていった。
「…ふー、今度は私からキスがしたい…」
私からキスなんて物理的に出来るはずもないけれど。でも、もしコノハの世界に行けるなら私は自分の気持ちをちゃんと伝えたいな。
そこへ行くことができたら
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