どうしたら彼に触れられるのだろう。こんなこと考えてしまうなんて私も欲張りになったなぁ、なんて他人事のように少し笑った。





“…だ、大丈夫!?ゴメン、置いていかないよ…エネと一緒にいるよ!!”





私が泣いてしまったあの日、コノハは慌てたように駆けつけてくれた。期待してしまう、実はあんまりコノハは変わっていないんじゃないかと。















「…どうしたら、エネに触れる…?」





突然、変態チックなことを言い出したコノハに対して私は頭を抱えた。





「あのですね。私は実体を持っていないし、生きている世界も違います。だからそんなことは不可能です。」





まるで自分に言い聞かせるように私はコノハに言った。自分で言って、なんか寂しくなった。





「…なんでそう言い切れるの…?」





感情の機微が全く感じられない瞳で私を見つめるコノハに何となく気まずさを感じて目をそらす。彼は何も知らない。何も知らないから、現実を甘く見てるからそんなことが言えるんだ。





「…エネ」





「…なんですか」





コノハは悪くない。悪くないのにイラつく。これはきっと嫉妬だ。何にも知らないからコノハはのほほんと生きていけるんだ。本当につまらない嫉妬。





「…こっち向いて…?」





「もうっ!なん…っ!?」





コノハの方に顔を向けると目の前にあったのは目を閉じているコノハの顔があった。私の唇とコノハの唇が重なっている。いわゆるキス。女の子なら誰でも憧れる好きな人とのキス。





―な、な、な…!?なにしてんの、コイツ!?





突然のことに何も言えずに私はまじまじとコノハの顔を見つめていた。あまりの至近距離に顔が熱くなった。こんな気持ちになったの貴音のとき以来かな…。重ねられた唇はほんのり温かかった。





たったひとつの触れる方法


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