I think of you night and day.




春の日差しを受けながら僕は新たな生活に心を踊らせた。





昨日は期待と不安でなかなか眠れなかったから少し眠いけれど、眠いのはいつものことだから気にしないことにした。





いつもより数倍もオシャレをしているお母さんと一緒にてくてくと歩き、辺りを見回すと高校の近くにコンビニがあった。





「(…よし!!ここでお菓子とかを買おう!!)」





そして、買ったお菓子をクラスの皆にあげて友達になるんだ!!





よし、では…さっそくコンビニに…とコンビニに行こうとしたけれどお母さんに止められて渋々諦めた。




















体育館に入って並べられている椅子に指示されたように座る、僕の近くにはあんまり椅子が置かれていないのは何でだろう…?





首を傾げていると隣の椅子に黒のツインテールの女の子が席に着いた。





「…あ、はじめまして!!僕、九ノ瀬遥っていいます!!」





上手く自己紹介出来たっ!!
心の中で一人ガッツポーズをして相手の女の子の様子を窺うと女の子は素っ気なかったけれど、よろしく、と言ってくれたのが嬉しかった。





すぐに式が始まってしまい、女の子の名前を聞けなかったから後で聞こうと僕は心に決めた。



















あくびが何度も出て危うく椅子から滑り落ちそうになるぐらいに眠かった入学式が終わると先生にこれから一年間過ごす教室を案内された。





この先生に着いていく生徒は僕とあの女の子だけの二人だけだった。





「…ここがお前らが三年間過ごす教室だ!!」





「…教室ていうか、理科準備室じゃん」





不服そうに先生を睨み付ける女の子の目は少し怖かった。





「おいおい、そんな怒るなって!!これから三人で三年間同じ教室で過ごすなんて一種の青春だろ!!」




あれ…あれ…?
僕は戸惑いを隠せず、先生を見る…と先生は僕に気がつくとなんだ知らないのか、と訊いてきた。





「…知らないって…え?」





「…あー、なんだ…その、榎本、教えてやれよ」





先生は整えていた髪を乱すようにがしがしとかきむしりながら僕への説明を『榎本』と呼ばれた女の子に押し付けるとやはり顔が険しくなる榎本さんは女の子なのに迫力があった。





「はあ…、あんた本当に知らなかったの?」





榎本さんが僕をジーッと見てから、やれやれとため息をついた。





「養護学級だからあんたのクラスメイトは私だけ」





「あ、そうなんだ!!」





生まれつき病気があるんだし仕方ない…とは思っても少し悲しくて悔しかったけれど無理やり笑顔をつくって気にしてないように見せた。





それに逆にポジティブに考えたら榎本さんともっともっと仲良くなれるかもしれない、親友になれるかもしれない!!と考えたら何だか学校生活がもっともっと楽しみになってきて自然と笑みが溢れた。




「あ、榎本さんって下の名前なんていうの?」





聞こうと思ってまだ聞いてなかった。





「…貴音だけど」





「貴音かぁ…可愛い名前だねっ!!」





そう言ったら何故か顔を真っ赤にした貴音に睨み付けられた。





「はっはっは!じゃあ、俺も貴音って呼ぼ…「気持ち悪いです、先生」」





貴音に言葉を遮られた先生は少し悲しそうにしていたけれど気にしないことにした。





「貴音って呼んじゃダメなの…?」





ダメと言われたら仕方ない、悲しいけれど榎本さんと呼ぼう。





「うっ…!!呼びたいなら勝手にそう呼べば!!」





顔を真っ赤にしている理由は分からないけど呼んでもいいと言われて凄く嬉しい。





「うん!!ありがとう、貴音っ!!よろしくね!!」





貴音は少し照れながらもうん、と言った。





「…やっぱり、貴音かわいいね!!」





「な、な、なに言ってんの、あんた!?」





思ったことをそのまま口にしたら貴音にまた怒られたけど全然怖くなかった。





明日はどんなことをして、どんな話をしようかな。





なんとなくだけど貴音と一緒なら楽しいことばかりだろうなと思った。












I think of you night and day.
(君のことで頭がいっぱい)




















あとがき…


初の遥貴でまさかの遥視点でまさかの遥貴の出会い話をやるとは…先生の扱いが悪いのは仕方ないね…笑


遥がなに考えてんのかよく分からない…そして、やっぱ文章がおかしい…泣






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