狼まであと何秒?




夏といえば色んなイベントがある。イベント好きな僕らはもちろん色んなイベントに参加した。祭りや花火大会、プール、海にも行った。唯一やっていないのは肝試しとかそういう幽霊とかそういうもの。キドやシンタロー君は極端にこういうのが苦手だ。逆にそういうのに弱そうなマリーは幽霊特集を見るぐらいに好きらしい。ホラー映画を見たいなぁ、とマリーが言ったのを聞いてセトとキサラギちゃん、面白がったエネちゃんがホラー映画を借りてきたのが始まりだった。予想通りのキドとシンタロー君の反応をエネちゃんと一緒に楽しみつつ、ホラー映画の観賞会を終えた。














「カノ、起きてるか…?」





自室のベッドで眠る準備をしているとパジャマ姿のキドが部屋にいきなり入ってきた。いつものキドだったら必ずノックしてから部屋に入ってくるのに今日は違った。キドは汗をだらだら、と流しながら乱れた息を整えている。





「どうしたの、キド?あ、もしかしてホラー映画のせいで眠れないとか?」





ふざけたようにそう言えば予想通りキドは鳩尾に殴ってきた。なんかもう、キドの癖だよね、なんて考えてたらキドが体当たりしてきた。まさか体当たりをしてくるとは思わなかったから僕はまともに立っていられずキドを抱き止めながら後ろのベッドに倒れこんだ。




「危なかったぁ…」





ベッドがあって良かった。僕の腕の中にいるキドは拗ねたような表情で僕の腰に更に抱きついてくる。デレてくれるのは嬉しいけど柔らかいのが当たってるから僕の理性が危なくなってしまう前に離れてほしい。





「…今日、一緒に寝る」





決定事項だ、と言わんばかりにキドが猫のように僕の胸に頭を擦り付けてくる。こんなことされたら一緒に寝るしかない。





「久しぶりだよね。キドとこうやって一緒に寝るの」





「確かにそうだな。久しぶりな気がする」





アヤノ姉ちゃんの家に引き取られてからキドとセトと三人で眠っていたらよくアヤノ姉ちゃんがお布団に忍び込んできたりしたっけ。考えてみればキドと二人っきりで寝るのは初めてかもしれない。そう考えたら何だかそわそわしてきた。一応、恋人なんだし。





「…カノ、ぎゅーして」





「うん」





普段のキドからは想像出来ないような甘ったるい声で恥ずかしそうにぎゅーして、なんて言われたらもう色々くるものがある。言われた通りにキドの華奢な体を抱き締める。柔らかくていい匂い。自然と頬が緩む。キドはくすぐったそうに身を捩りながらも幸せそうな顔をしている。可愛い。可愛すぎてキドを襲いたくなる。夏だからパジャマの布自体が薄いし、下着は着けてないからなのかとにかく柔らかい。もういい加減理性が粉々に砕けてしまった。キドが甘えてくるから悪いんだ、なんて言い訳をつけて僕は柔らかそうな唇に吸い込まれるようにキスをした。










あとがき…


ムゥ様からのリクエストで甘々なカノキドです。


なんか甘々に出来なくてすみません。一歩間違えればR指定にいくところでした笑


ホラー映画についてもっと詳しい描写を書きたかったんですが私自身がキドさんやシンタロー並みにそういうのが苦手で小さい頃以来ホラー映画なんて恐ろしくて見なかったので無理でした(--;)


なんか色々突っ込みどころ満載ですみません。


ムゥ様のみ、お持ち帰り可能です。ムゥ様のみ返品、書き直し可能ですので気軽に連絡お願いします。








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