短編 | ナノ




頭痛薬はあなたのキス

*微裏です
苦手な方は読まないことを推奨します。


大丈夫な方は以下からどうぞ


































「はあ…」





朝起きてから頭痛が酷くリビングのソファーにつくのも精一杯だった。





ソファーに勢いよくぱふんと倒れこむ、倒れこんだだけで痛みは治まるわけもなく勢いつけてしまったせいか更に頭がズキズキと痛み眉間にしわが寄っていく。





我慢出来ないほどの痛みではないが誰もいない空間では痛みを紛らわすことも出来ず体を起こしてポケットに入っているはずのiPodを取り出すが充電が切れていて使えなかった。





舌打ちをしてすぐにiPodをポケットに戻し体をソファーにゆっくりと倒す。





「あれ、キド…?」





目をギュッと閉じ痛みに堪えていると聞き覚えのある声がして目を開ければ、きょとんとしながら自分を見下ろしているカノの姿があった。





カノが既に起きてるということはかなりの時間ソファーで痛みに堪えていたのかもしれない。





それにしてもコイツの気配も感じ取れなかったなんて今日の俺はどうかしている。





冬だというのに頭痛のせいでかいた汗を腕でふく。





「…朝ご飯、今から作るから…ちょっと、待ってろ…」





体を何とか起こそうとするとカノに肩を押され体がソファーに再び倒れこむ。





「…キドはそこで寝てなよ。朝ご飯なら僕が準備してくるからさ」




いきなり押してきたことに悪態をつこうとするとカノがニコニコと笑いながらキッチンへと消えていった。





少し目を閉じればすぐに眠気に襲われた。

































「ん……」





起きて横を見ればテーブルには水が入ったグラスと頭痛薬が2錠ほど置いてあった。





「あ、起きた?頭が痛かったなら言ってくれればいいのに〜」





「…別に頭、痛くない」





指摘されたことが頭にきて、つい強がって嘘をつく。





ホントはまだ少し痛い。





生まれつき頭痛持ちだが未だにこの痛みに慣れることはない。





「キドはホント強がりだなぁ〜、もっと甘えてもいいんだよ?」





カノが大げさに腕を広げ、笑う。




「………じゃあ、キスしろ」





「へ?」





珍しく素っ頓狂な声を出すカノを見て少しにやっとする気持ちを抑えつつ向かいのソファーに座っているカノに近づくが…





「……はぁ、嘘だよ」





やっぱり今日の自分はどうかしてるかもしれない。





再び痛みだした頭を抑えながら向かいのソファーに戻ろうとすると腕を引かれた。





「いいよ」





「……カノ?」





「キスしようよ」





カノがニヤッと笑顔になるといきなり立ち上がったと思ったら唇が重なっていた。





ただ唇を合わせただけのキスからだんだんと濃厚なものに変わっていく。





酸素を求め少し口を開ければ狙ったように入ってくる舌を舌で必死に追い返そうとすると更に絡めとられる。





「…ん、っふ…ふぁ…ぁ」





歯列を舌でなぞられ更に自分の口から吐息が漏れる。





何とか離そうとカノの胸板を叩きながら頭を必死に動かし唇を離そうとするとカノの手によって頭を抑えられカノが唇を味わうように顔の角度を何回も変えながら更にキスが深いものになっていく。





永遠ともいえるような長さから解放され、唇を離せば二人の間に透明の糸がぷつりと切れる。





「…………………」





乱れた息と自然に上下する肩を抑えながら真っ赤に火照っているカノの顔を見つめていた。





「…顔、真っ赤…じゃん」





「……うる…さい、お前に言われたくない」





気が付けば頭の痛みはとっくに失われていたようだ。





「…薬、飲まないの…?」





カノが乱れている息を整えながらテーブルに置かれている薬を指差す。





「…薬はあんまり好きじゃないし。もう治った」





「…そうなの?」





「ああ」





「じゃあ…さっきの続き、しない…?」





だいぶ熱をもった体が熱くカノに冷ましてもらうのもいいかもしれないと俺は小さく頷いた。

























あとがき…


偏頭痛に襲われてるときに思いついたネタ。


なぜか途中でエロくなったのは初じめて裏を読んで興奮したからです…







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