ずるいから好きです
最近、キドが女の子っぽくなってきた気がする。今更だ、と笑われるだろうか。キドが女の子らしい仕草をすると何故か気恥ずかしいというか照れるというか直視できないというか…。自分のこのハッキリとしない感情にイライラする。毎日同じようなことばっかり言っている朝のテレビの天気予報に目をやる。
「うっわ…今日、紫外線強いって!暑いのかなぁ」
天気予報には紫外線が今日は強いとか洗濯物がよく乾くとか色々表示されている情報に目をやった後、隣で一緒にテレビを見ていたキドに目を移した。
「……っ…」
思わず絶句した。キドのあまりの無防備さと自分のこの変な気持ちに。キドは女物のパジャマ姿のままその綺麗な足や髪を片手で上に上げてもう片方の手で首に日焼け止めを塗ったりしていた。いや、もちろん別になんの支障もないはず。ただキドは日焼け止めを塗っているだけなのだ。
「…ん?どうした、カノ」
キドに話しかけられてハッと我に返った。なんて僕は最悪なやつなのだろう。家族同然の女の子をこんな目で見てるなんて…。胸が罪悪感によって締め付けられる。心の中でゴメン、とキドに謝る。面と向かって言っても鈍感な彼女はなんのことか気づきもしないのだろう。
「なんでもないよ。」
そう言いつつも視線はキドの白い足や白い首筋に釘付けになっていた。所々に蚊に刺されて赤くなっている。まるでキスマークのようだな、と不純なことを考えていた。こんなことを考えているなんて知られたらキドに幻滅されてしまう。きっとこんな変なことを考えてしまうのは夏の暑さに頭がやられたせいだ。そうに違いない。僕がキドに恋するはずない。
「(…あれ、恋…?)」
白いモヤが一気に晴れた気がした。僕はキドのことが好きなのか。考えれば考えるほどキドが気になって仕方がない。キドの顔を横目でチラッと盗み見しようとしたらキドとバッチリ目が合ってしまい慌てて目をそらした。顔が全体的に熱い。なに、キドと目が合ったぐらいでこんなに動揺してるんだよ。自分のこの意味不明な感情はやはり『恋』なのだろうか。わからない。わからないけれどなんとなく嫌とは思わなかった。
「…変なカノ」
キドがいつもの無表情を崩してフッと柔らかく笑った。君のせいだよ、なんて言えない。ずるいなぁ、そんな顔されたらもっと好きになってしまいそうだよ。知ってか知らずか、またキドは笑った。
あとがき…
久しぶりに小説書いた気が…汗
クオリティーが低すぎてやばやば…まぁ、リハビリだからいいや
カノさんがキドさんにきゅんきゅんしてるのもいいと思う。
キドさんは確信犯。
いや鈍感で無自覚天然でもいいや。