短編 | ナノ




狼まであと何秒?
*微裏です。
苦手な方は読まないことを推奨します。


大丈夫な方は以下からどうぞ






























「…風呂あがったぞ」





キドの言葉に雑誌から目を離し、返事をしようとキドを見て言葉が出なくなってしまった。





「き、キドさん…あのね、何で下着しか身に付けてないの?」





キドは下着姿に首にタオルをかけている姿のままキッチンへ行き、お茶を飲んでいる。





「ん?だって、暑いだろ…」





キドはそれがどうしたみたいな顔でキョトンとする。





「いやいや、キド…いっつもあの長袖パーカー着てるじゃん」





絶対あれの方が暑いだろと顔をしかめる。





「風呂あがりは暑いんだよ。別に今は俺とお前しかいないからいいだろ」





キドが僕の隣に座ってきたので少し端に寄り距離をとる。





「?」





きっとキドは鈍感だから分かっていないのだろう。





現に今、首を傾げてこちらを見てる。





普通好きな女の子が下着姿なだけで興奮するし、襲いたくなるし。




僕の弱い理性じゃいつまで耐えきれるかどうか…。





「…キド、とりあえず着替えてよ」





「……珍しいな、お前がそんなに狼狽えるなんて」





キドがニヤニヤ笑いながら僕との距離を詰めてくる。





あー、もう…キド絶対に楽しんでるな。





「…それ以上近づくとキドのこと襲っちゃうよ?」





ニヤッと笑い、
キドが恥ずかしがって着替えてくることを願いながら、キドの腕を掴む。





「…別にお前ならいいけど。それにお前だから俺は普通に下着だけでいれるんだろ」





キドはやっぱり鈍感だ。





家族同然のなかだからって安心してるんだ、きっと。





男を甘くみている。





自分がいかに今、危ない状況かなんて分かっていないんだキドは。




「…もう、どうなっても知らないからね?」





キドの体を抱き締め耳元で囁いたそのとき、確かにキドの肩がビクッと震えたのを見て静かに僕はにやけた。

















あとがき…


キドさん、鈍感…


文を書くのもっと上手くなりたい…切実に







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