「お前…性格悪っ、ひッ、んぅ」

一言だけ文句を言うと、後は抵抗するだけ無駄だと踏んだのか、声を洩らしてしまわないように自分の右手の人差し指に歯を立てる。

「そうですか?…俺は鳴海さんに気持ち良くなってほしいだけですよ」

いつものように眉根を寄せて不安げな顔をして見せるけれど、その声色からはそんな様子を微塵も感じさせない。

赤く尖ってきたそこを執拗に弄り続けられる恥ずかしさに目をギュッと閉じると、生理的な涙が頬を伝う。
その流れ出た涙を、なんの躊躇いもなく舐められた。

「泣かないで下さい」
「好きで、泣いてんじゃ、ね、っつの…ンっ」
「もっと泣かせたくなっちゃいますから」

耳元でなんとも恐ろしい発言をするポチに、俺はだらしなく眉を下げる。
いつものヘタレなポチとは別人のような気がして怖く感じながら、中途半端に触られた下半身がもどかしくて無意識に腰を揺らしてしまった。

「ここだけでイケそう?」
「ひッ、ア」

その台詞と同時に乳首をピンと指で弾かれて反射的に喉を仰け反らせる。それと同時に下着に広がる湿った感覚と、達した後の独特な気怠さ。

この年になって、まさか下着を履いたまま射精してしまうなんて思ってもみなかった。
下着へと放ってしまった罪悪感と気持ち悪さに眉根を寄せながらも、イってしまったことをポチに悟られないように顔を背ける。

「…鳴海さん、もしかしてイっちゃった?」
「な、んで」

指摘されて一気に顔から火が出る。

「図星なんだ。まさか乳首だけでイクなんて思いませんでした」

揶揄するようにそう言うポチに、恥ずかしくて更に身体全体が火照ってくる。

「も、最悪…退けろ、ンッ」

強がりながら押し退けようとポチの胸板に腕を突っぱねた瞬間、その両手首を掴まれて噛み付くようにキスをしてきた。



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