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「も…やぁ、ン」
「っ、うん、俺も」
普段は強気な表情ばかりしている伊武騎が、情けなく眉を下げて目に涙を浮かべている。そんな姿が愛しくて、半端に開いていた唇にキスをした。
その間も、伊武騎は一生懸命腰を動かして快感を貪る。
「ン、ン!…はる、き、アッ」
「っ」
一度大きく腰を落とした瞬間に、呆気なく自分と晴紀の腹の上に白濁を撒き散らす伊武騎。
射精したときに締め付けられて、晴紀は自身のモノを抜く間もなく伊武騎の中に欲望を放った。
「ン、ふぅ…マジ、最っ悪」
力の抜けた身体を晴紀に預けたまんまの状態で、色気もない台詞を吐き出す。
そんな伊武騎の背中に手を回して優しく抱きしめた。
「伊武騎から乗ってきたんだよ?」
「……うっせぇ」
「すごく可愛かったよ」
チュ、と、音を立てて耳へとキスを落とす。
ダイレクトに鼓膜に音が響いたのか、未だ埋まったままの晴紀をキュウと締め付けてしまった。
「っ」
いきなりの刺激に思わず眉を寄せる晴紀に、嬉しそうに伊武騎が笑う。
「へへ…ザマーミロ」
「じゃ、次は俺が頑張らないとね」
「え?っひ、ンン」
小さく腰を揺すってやると、萎えていた伊武騎のペニスが元気を取り戻す。
軽く晴紀を睨みつつも、沸き上がってきた性欲には勝てず結局晴紀に身を任せる。
まさか少しの間焦らしたからってこんなに大胆になるなんて思わなかったな、なんて心の中で考えながら、伊武騎にキスを落とした。
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