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「ン、っふ…ん、ん」
「気持ち良い?」
涙ぐんだ顔で晴紀を睨み、口に啣えていたネクタイを無造作に吐き出すと、首に回していた手をそろそろと下の方へと移動させて既に膨らんでいる晴紀のモノを握った。
「も、入れろ…ばか」
普段、喧嘩相手にガンを飛ばすのと同じように余裕の晴紀に鋭い目線を送るも、無意味なことは自分でわかっている。
第一、目に涙が溜まった状態では睨んでるといえるのだろうか。
「伊武騎、声抑えてて」
「え?…ひ!ん、ア」
晴紀の言葉と同時に指が勢いよく引き抜かれたと思ったら、すぐさま熱く脈打つペニスを挿入された。
片足を持ち上げられ、不安定な体勢で快感に耐える伊武騎。
「や、ぁ…アン、ん!ひっ、や」
ずり落ちないようしがみついてくる伊武騎に対し、お構いなしに腰を打ち付けて快感を煽る晴紀。
ぐちゅり、と、そんな卑猥な音にすら敏感に反応してアナルが締まった。
「……シー。伊武騎、聞こえる?」
「ふ、ァ?」
中途半端に律動を停止させ、人差し指を唇の前に持っていき周りの音へと集中させる。
ギリギリの所で止められて体が小刻みに震えるものの、素直に周りの音を聞こうと耳を澄ました。
「あ…や、やだっ。晴紀、ァ、ひぁ!」
駄々っ子のように「やだ」を繰り返す伊武騎。
周りから聞こえてくるのは、先生たちが授業をしている声や、生徒たちの雑談。今まで忘れかけていたが、ここは学校の屋上だ。
あっちの声が聞こえるということは、こちらの声も聞こえているかもしれない。
「はるっ、や…動かさ、な、ア、やん」
「声抑えてね」
「や、嘘!…あぁん!ひっ、ん、んん、ぅ」
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