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「つか、マジでサボりなの?」
なんだか近すぎる距離に変に緊張してしまって離れた。
頭の後ろで手を組みながらそう尋ねたら、ニッコリ笑って頷く晴紀。
「うん。たまには伊武騎とサボろうかなって思って」
「そっか、うん…へへへ」
俺は、晴紀のこういうとこが嫌いじゃない。
なんつーか、大好きだ。
ふにゃり、と、頬の筋肉を緩めて笑った瞬間、唇に晴紀の唇が合わさった。いきなりのことだったけど目を閉じてそれに答える。
少しだけ唇に隙間を開ければ、そこから晴紀の舌がヌルリと差し込まれた。
歯列をなぞられ舌を絡められれば、含みきれない涎が口の端から垂れ流れていく。
やっとのことで解放されたときには、悔しくも俺の息は上がってしまっていた。
そんな俺とは対照的に、余裕の晴紀はペロリと自分の唇を舐める。
「はっ、んだよ、急に」
口の端についたどっちのかわからない涎をカーディガンの袖で拭う。
もう、汚いとかそんなん関係ない。
相変わらず笑顔のままの晴紀に抱き寄せられたと思ったら、急にズボンからワイシャツを捲られて背中を撫でられた。
「うひゃ!ははっ、そこ、くすぐった、うはは!」
「ほら、暴れない」
「そんなこと言ったって…ひゃはは、や、ン」
背骨に沿って晴紀の手が上っていくうちに、くすぐったいのとは別の感覚に変わっていく。
鼻に掛かったような声が洩れるのを我慢していると、鎖骨を思いきり齧られた。
「ひっ、つ…ンン」
痛い筈なのに、歯型がついたそこをねっとりと舐め上げられると腰がゾクゾクと疼いてしまう。
黙って背中を撫でられていた伊武騎が、無意識なのか腰を晴紀に押し付けていた。
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