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遡ること数十分前。


泣きながら喘いでいる男の姿に、恋に落ちたなんて誰に相談出来ようか…。
告白したのはつい数日前。
無理矢理エッチをして、そのエッチの後に告って、返事はまだ貰っていない。

好きな人のアパートの玄関の前に立って、インターホンを押す。
あ、なんか緊張してきた。

「……はーい」

中から声が聞こえてきたのと同時に扉が開く。今日は仕事が休みなのか、ラフな恰好でお出ましだ。

「っ…帰れ!」

あれれ?人の顔を見るなり赤くなったり青くなったり…んでもって、扉を閉めようとするなんて失礼じゃね?

「お邪魔しまーす」
「ちょ、勝手に上がってんじゃねぇよ!お前の知り合いは隣だ」

宏樹さんの言う通り、宏樹さんちの隣には俺の知り合いが住んでる。
ちなみに、男同士で付き合ってるってカミングアウトしてきたダチの彼氏ね。

「今日はオニーサンに用あんだけど」

閉められそうになった扉を抑えて、無理矢理上がる。
こないだの情事が頭を過ぎってしまうのか、頬っぺたを赤く染めながら怒って俺を追い出そうとしてくる。

「こないだ付き合ってっつったじゃん。返事聞きに来た」
「…馬鹿!てめぇみてえな強姦変態野郎なんかと誰が付き合うか、出てけ」

あ、今のは流石の俺でもカチンときた。
泣きそうになりながら言われて、カチンときたと同時に、俺の中のサドの部分にもなんかきた。

「俺が変態なら、宏樹さんは隣に住んでる俺のダチのセックスを聞きながらオナニーするド変態だな」

決して嘘は言ってないと思う。…というか、鎌をかけてみる。
前に間違って宏樹さんちに来たときに、それっぽい臭いしてたし、顔赤かったし。

「な、なんでそれ」

おお、ビンゴ。


 



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