>> 12月24日
先輩の誕生日の前日、私達は学校の家庭科室にいた。明日のクリスマスパーティー(且つ先輩のお誕生日サプライズ)の準備をするのだ。窓の外を見ると、枯れ葉が舞っている。寒そうだ。
「じゃあ、役割分担決めましょう」
リナリー先輩は黒板にカツカツと文字を書いていく。
「じゃあ私と神田は飾り付け、ロードとティキ先生、葵ちゃんはケーキ係にしましょう」
「ちょっリナリ!?俺は?俺の役割は!?」
「ラビは・・・適当に場を盛り上げて?」
「扱いひどくね?」
ラビ先輩がリナリー先輩に訴えるも、リナリー先輩は既に買い出しの袋に手をつけ始めて聞いていない。
「っていうか!なんでアンタがいるんさ!」
ビシッと指をさした先には先生。確かになんでいるんだろう。視線の集まった先生は、「冬休み中に学校使う時は教師ついてないとダメでしょ」とカラカラと笑った。
結局、ラビ先輩もケーキ係になった。そんなにケーキ係いらないと言おうとしたけど止めた。
早速ケーキを作り始める。と、言っても何故か私以外の人たちはみんな椅子に座っているので、実質私一人で作っていることになる。そんな中でロードが身を乗り出して尋ねてきた。
「ねっ葵!アレンへの誕生日プレゼント決めたぁ?」
「え?」
「そうじゃん、葵ちゃん少年に何あげんの?」
「俺がオススメしたのにしたさ?」
口々に問いかけられる質問。
「ラビ先輩、前日から手編みのマフラーは無理です!」
「やっぱり?」
「ブックマンって馬鹿ぁ?」
「うるさいさ!じゃあ、何あげんの?」
「えっと、」
「何、まさかプレゼントは自分的なお約束なアレ?」
「じっ!?先生!変なこと言わないでください!」
力みすぎてボールの中の生地がベチャリと飛んだ。
「ていうか手伝ってくださいよ」
「えー?もういいんじゃない?葵が作ったことにしてアレンにあげればいいじゃんっ」
「お、いいねそれ」
・・・大丈夫かな、これ。